移動目的や興味関心の下で乗ってみて「ちょっと良いね」と好印象を持って、そう月日の経たない間にリピートしようと思ったら、いつの間にか廃止になっていたバスの路線系統が、最近は顕著になってきた気がする。そしてそんな路線がまた一つ……北海道の日本海側を走った、函館バス621系統 小砂子(ちいさご)線が繋いだバスルートの、まだそれほど色褪せてない思い出。
文・写真・作図:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、函館バス621系統の思い出写真とバスルート今昔の略地図があります)
■木古内〜松前〜江差をバスで繋ぐ
北海道の道南エリア。函館から40kmほど離れた場所に木古内町がある。木古内は北海道新幹線の「木古内駅」が置かれているほか、JRの在来線区間を引き継いだ、道南いさりび鉄道線の終点にもなっている。
この木古内をスタート地点に据えて、渡島半島と呼ばれるエリアの西側、ちょうど日本海に面した海岸線を伝いながら、北海道文化発祥の地と言われる海沿いの町・江差へと繋ぐ、路線バスを使った行き方があった。
道南の郊外・極めてローカルな区間が大部分を占めているのもあり、バスの本数が非常に少なく、実質的には昼間に1回しか通り抜けのチャンスがない、限界系バスファン垂涎な超極細ルートの類に入るものであったのは確かで、具体的には……
(1)木古内駅前→(函館バス521系統 松前出張所行き)→松城
(2)松城→(松前町内徒歩連絡)→福山
(3)福山→(函館バス531系統 コミバス大漁くん 原口漁港前行き)→交流館前
(4)交流館前→(函館バス621系統 小砂子線 江差ターミナル行き)→江差ターミナル
……といった乗り換え手順を、バスの時間だけはしっかり狙って踏めばスムーズに移動ができ、木古内を11時頃出発して江差に16時前に着く、全区間およそ120kmの行程だった。
江差ターミナルでは木古内駅行きのJR旧江差線代替バスの最終に間に合うタイミングで、やろうと思えば1日のうちに木古内〜松前〜江差〜木古内をグルっと1周して来られなくもなかった。
■道南エリアの景色最高バスルート
同じルートをレンタカーで通ったことは昔あり、天気があまり良くなかったので「こんなもんかな?」くらいの印象だったが、2025年5月の終わり頃、「あ、ここバス繋がるんだ?」と気づいて、それなら試しにと現地へ様子を見に行った。
当日の天気は不足なしの晴れ。海岸線に寄り添うようにして敷かれた国道228号をメインルートにひた走る性質上、進行方向左側に深み豊かな日本海ブルーが惜しげもなく広がってくれて、この道こんな凄いところ通ってたの!? と再認識。
しかも道が高台を通っているため、陸と海の立体感がより強調された見応え抜群なバスルートであった実像に、これは1度通るだけで満足したら勿体無い心持ちにさせられた。
■また行こうとしたらバスが……
そんな木古内→江差の路線バスルートが特に思い出深いものへと昇華して、年が変わった2026年もまた乗りに行ければと考えていた。
ところが、いつもバス旅をやるときも、妄想で完結するときも楽しみな時間にしている時刻表をチェックしようとした矢先、まさか!と思える事実が目の前に。
上記のルートのうち(4)に該当する、函館バス621系統が受け持っていた、原口漁港〜江差ターミナル間約35kmが、あろうことか2025年9月末に廃止されてしまっていた!!
利用した2025年5月から半年も経たないうちにバスがなくなるとは……路線バスの廃止はサドンデスな性質が強いとはいえ、まさかあの時が最後だったとは虚をつかれた。







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