ルーツはヴィクトリア朝だと!? バス座席背もたれの白いカバーが想像以上に奥深い!!

高速車・貸切車専用……とばかりも言ってられない!?

 いわゆる高速車と貸切車で運行されるバス便のシートに白いカバーがかけてあるのは、昼行・夜行・観光問わず半ばデフォルトのようなものだ。

 伝統あるレース地はもちろん、スタンダードな白を筆頭に、青、ピンク、オレンジ、黄色と、事業者によって色や柄とりどり。中には座席番号を記して自席の場所がすぐ分かるように工夫されたカバーも使われている。

 バスでの白いカバーは高速車・貸切車だけに許されたアイテムなのかと言えば、実は白いカバー付きシートで営業運転を行う路線車だって一部にあるのだ。

 路線車の場合ハイバックシートはともかく、背もたれが低いシートにカバーを被せても、モケットのすり減り軽減にはなるかも知れないが、本来の汚れ防止という面での実用性はそれほど期待できない。

 むしろ、路線バスでも上質さや清潔感を持った車内空間を提供するために用意された贅沢なサービスに感じる。

路線車のシート背もたれにカバーがかけられた珍しい例(愛知県)
路線車のシート背もたれにカバーがかけられた珍しい例(愛知県)

 ちなみに、日本語で白いカバーのことをアンチマカッサーとは殆ど言わない。代わりに頻繁に使われるのが「枕カバー」である。英語圏では単純に「ヘッドレストカバー」とも表現する。

 白いカバーが特別感を持っているのは今も昔も共通だ。

【画像ギャラリー】上質な空間を演出!! 座席ヘッドレストの白いカバー(4枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。