本州四国初の高速バスは5社で運行!! 瀬戸内海ブルーで統一された瀬戸大橋特急線のバスたち

本州四国初の高速バスは5社で運行!! 瀬戸内海ブルーで統一された瀬戸大橋特急線のバスたち

 四国への期待のアクセスは夢の懸け橋といわれた。本州から九州、北海道はいずれもトンネルによる接続だが、数ある瀬戸内海の島々を渡ることができるため、橋で結ぶ3ルートが構想された。この本四架橋は、まずは通称「児島坂出ルート」。瀬戸大橋によって本州と結ばれた。

●瀬戸大橋特急線(岡山〜高松)
瀬戸大橋高速バス(両備バス、下津井電鉄、中国ジェイアールバス、ジェイアール四国バス)
乗車・撮影日:1990年5月

(記事の内容は、2021年11月現在のものです)
文・写真/石川正臣
※2021年9月発売《バスマガジンvol.110》『思い出の長距離バス』より

■観光、物流、ビジネスにも夢のルートだった本四架橋の開通!!

瀬戸大橋高速バス。ほかの4社も同じデザイン
瀬戸大橋高速バス。ほかの4社も同じデザイン

 本州から九州へは関門海峡が1km強と距離が近く、トンネルで鉄道が戦前にすでに開通していた。次に国道ができた。自動車だけでなく歩行者が歩いても、その後の高速道路は橋でつながっており、九州は陸続きといってもいいほどとなった。

 そして北海道にもトンネルで本州と結ぶ鉄道の構想が出ていた。しかし四国はというと、瀬戸内海の島が数多くあることを利用する、島を渡り歩いていく夢のような話が飛び出た。鉄道1本、そして道路は3本もできるというプランで、果たしてそれは実現された。

 高速バスの運行は、本州側は岡山と倉敷から、四国側は高松と琴平レオマワールドとお互い2カ所の起点と2カ所の終点となり、4路線となった。運行する事業者は既存の4社とこの新規事業者の瀬戸大橋高速バスで、ボディカラーは5社共通に設定された。

■海のブルーが眩しく輝く四国に向けていよいよ乗車&出発

岡山側乗り場は天満屋。中心部とあって多くの人が並んでいた。皆それぞれの期待が
岡山側乗り場は天満屋。中心部とあって多くの人が並んでいた。皆それぞれの期待が

 岡山の起点は街中の天満屋バス停だ。郊外へ行く多くのバスが発車するポイントだ。すでに高松行きにも乗客が行列を始めており、橋をモチーフした青いバスがやって来た。

 胸をワクワクさせた乗客を満載して発車。高速入りすると岡山が遠ざかり、期待の瀬戸大橋が近づいてくる。山を切り崩した道路を南へ、遠くに真っ青な瀬戸内海が見えて来た。

 瀬戸中央自動車道南下すると大きな瀬戸内海が広がり、いよいよ橋を渡る。右も左もそして前方も、瀬戸内海が広がる景色に車内は歓声と興奮のるつぼと化した。すれ違う観光バスや高速バスの車内も、同じ歓声が車内に溢れていることだろう。

 橋を渡るごとに車内放送でそれぞれの橋の説明が流れる。そして多くの観光客が与島に立ち寄ることとなった。橋で立ち寄ることができる島とそうでない島は明暗を分けた。与島は賑やかになったと言っても、観光地化したことで自然環境が破壊されたかもしれない。

 今まで四国では見受けられなかった東日本からの観光バスも、次々とやってくるようになった。ドライバーからすれば橋が開通して以来、何度来たことか、もう目を閉じても来ることできるよ、なんて言葉が出るほど。

 次のバスで高松を目指す。最後の橋を渡れば四国本土に入る。振り向けば渡ってきた橋が手の取るように見える。前方には活気ある工業地域が広がる。いよいよこのまっさらな新しい高速道路を降りて、潮の香りが漂う高松駅に到着した。

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