■西鉄グループの優待
グループ会社をすべて含めると、日本有数の営業キロ数を誇る西鉄バスにも株主優待がある。西鉄は鉄道事業も行っているため、優待の内容も鉄道とバス両方が対象だ。
年2回の発行は神奈中と同じで、600株以上で回数券方式の乗車券4枚が贈られる。こちらも2,000〜4,000株未満8枚、4,000〜6,000株未満12枚のように、贈呈枚数の段階が設定されている。
西鉄の優待回数券は鉄道用で、バスに乗れるのは定期券タイプだけ。福岡、北九州、久留米、筑豊各エリアから選ぶ地区限定バス定期券と、グループ会社全ての一般路線バスと一部高速バス・空港連絡バスまで有効なバス全線定期の2種類に分かれる。
6,000株から電車全線または地区限定バス定期券どちらかが選べるようになり、8,000株を超えるとバス全線定期が選択肢に加わる。13,400株以上を保有していれば電車・バス全線が利用可能な定期券を獲得可能だ。
では西鉄グループの株価を見てみると、2,300〜2,900円くらいの範囲だ。2,600円に均して計算すると、回数券4枚で156万円、地区限定バス定期券が1,560万円、バス全線定期は2,080万円、全部乗せなら3,484万円の投資で夢が叶う。
■名鉄グループの優待
最後に中京地区に広大な公共交通サービス網を展開する名鉄グループの場合はどんな優待を受けられるだろうか。こちらも鉄道とバスが対象で、持っている株の数で贈られる券のタイプや枚数が変わる。
回数券タイプと定期券タイプが用意されているのは他社と同じだが、回数券は西鉄のように鉄道用のみが用意されている。
定期券タイプで高速バスや空港連絡バス・コミュニティバスなどは利用できないほか、深夜バスに乗車する際も割増運賃が別途必要となる。
年2回の発行は上記2社と同様。600株で回数券タイプ2枚、1,000〜2,000株未満6枚、2,000〜3,000株未満12枚の要領で段階分けされているのも一緒だ。
保有数が8,000株を超えると、電車・バス全線に乗れる定期券タイプの乗車証1枚を獲得できる。最大値は20万株以上で、この場合は乗車証が10枚贈呈される。
気になる名鉄の株価は2,000〜2,300円だ。ここでは2,150円に均すとして、回数券2枚で129万円、電車・バス乗車証が1,720万円。定期券よくばり10枚セットを狙うとすれば4億3000万円の投資で、いつでも好きなときに名鉄管内どこでも行けるようになる。
純粋に株主優待が目当てで投資をする人はかなり珍しいと思われるが、悪だくみナシで公共交通機関をタダ乗りしようとするなら、並大抵の努力では達成できないと痛感させられるものだ。
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