今回は東南アジアに位置するラオスを紹介しよう。アセアン唯一の内陸国で「アジアの田舎」というのんびりムードの国であるが、経済は貧しく、バスといえるような車両の多くは日本からの援助、または中古車なのである。
(記事の内容は、2023年5月現在のものです)
執筆・写真/谷川一巳
■国内の長距離バスはなんとミニバンで運行
近年、こんなラオスに中国が立派な鉄道を建設した。これにより首都ヴィエンチャンと、ラオスを訪れた外国人観光客のほとんどが訪れる、古都ルアンパヴァ―ン(京都のような存在)の間はたったの2時間で結ばれるようになった。
この間にはバスらしいバスは走っておらず、ラオスでいう「バス」はトヨタのミニバンのことで、屋根上に荷物を載せ、10時間を要するのである。
■日本製が幅を利かせていたラオス~タイ路線
バスといえる車両が運転しているのは首都ヴィエンチャン周辺である。ヴィエンチャンにはメコン川が流れていて、その川を越えると隣国タイである。友好橋がかかっていて、国際バスが行きかっている。
ヴィエンチャン~ノンカーイ、ヴィエンチャン~ウドンタニ間などのバスがあり、そして夜行路線としてヴィエンチャン~バンコク間もある。運行方法は日本と酷似していて、それぞれの国のバス会社の共同運行で、時間帯によってどちらの運行かが決まっている。
ラオス側の車両は元京都市営バスの定期観光車両だったいすゞ「ガーラ」のようだ。夜行路線は1日おきに異なるバス会社の車両となり、ラオス側は中国製の新車だった。
国境部分には、友好橋だけをシャトル運行する路線(所要約10分)もあり、終日頻繁に運行し、ラオス側車両は元京都市営バスである。さらに国境からヴィエンチャン市内への路線バスは日本のODAによるいすゞ車両である。
つまり、ラオスの首都ヴィエンチャンへ行くと、路線バスに乗っても、タイ行き国際バスに乗っても、ローカルバスを乗り継いでタイ側へ渡っても、ラオス側が運行する便であれば、日本の車両に乗れるのである。がんばれ日本製!! と声援を送りたくなった。
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