バスのスペアタイヤ事情が謎すぎる!! そもそも積んでるの? それはどこに?

バスのスペアタイヤ事情が謎すぎる!! そもそも積んでるの? それはどこに?

 タイヤが突然パンク! そんなときに出番がやってくるスペアタイヤ。最近は付いていない普通乗用車も増えてきたようだが、バスのスペアタイヤ事情はどうなっているのだろう?

文・写真:中山修一
(詳細写真ギャラリーを含む写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■スペアありが主流? 高速車と貸切車

大型高速車・貸切車のスペアタイヤ標準装備率は!?
大型高速車・貸切車のスペアタイヤ標準装備率は!?

 まずは高速バスや貸切バスで使われる、ハイデッカータイプの大型バス車両(高速車と貸切車)から探りを入れてみよう。

 このタイプの車両では、どうやらスペアを積んでいるほうが一般的と言えそうだ。スペアの収納場所は客室から下のどこかになる。

 車種ごとに異なるが、客室下のトランクルームの一部を、スペアタイヤと工具類置き場に割いているタイプが一例に挙げられる。

 また、現行車種で主流になっているのが、車両前寄りの運転席下あたりに、タイヤを寝かせた状態で外から吊り下げているタイプだ。

 後者のタイプは、ヘッドライトの間のパネルを開き、所定の位置(穴)に専用クランク棒を差し込んで回すと、鎖などに繋がったスペアタイヤが徐々に降りてくる仕組みになっている。

■ぜんぜん資料が見つからない路線車

 高速車と貸切車は、大抵スペアタイヤが装備されていると思って良さそうだ。では次に、一般路線バスで使われる路線車の場合はどうだろう。

 ちょっと調べれば比較的すぐに答えが見つかる高速車・貸切車とは対照的に、路線車とスペアタイヤの関係に言及した資料を探そうとなると、これが殆ど出てこない。

 資料がない、ということは、そもそも路線車にはスペアタイヤが付いていないので、資料を作ろうにも作れない、と推測で結びつけても良さそうだが!?

■床下を覗いてみる

 やはり現物の一つでも、目視で確認できないうちに断定するのは些かモヤモヤが晴れない。スペアが付いているとすれば高速車と同様に床下だと思われる。

 とはいえ営業中の路線車の床下を覗き込むようなマネは、危なすぎて倫理に欠ける。公開イベントで車両展示が行われるなら話は別だが……そう思った矢先に、趣旨ぴったりなバスのイベントが開催されたので現地へ足を運んだ。

 会場に展示されていた中型と大型路線車の床下を、後ろから覗き込んでみたところ、後ろはエンジンが積まれているため、スペアを吊っておくスペース自体がなかった。

大型路線車の後部床下。エンジンカバーで覆われていてスペアタイヤを吊る場所はない
大型路線車の後部床下。エンジンカバーで覆われていてスペアタイヤを吊る場所はない

 となれば残りは前。前方に移動して床下に注目してみると、中型・大型ともに前にもスペアは積まれていなかった。

次ページは : ■積まない方が簡単に済む?

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。