■積まない方が簡単に済む?
昔の路線車はスペアタイヤ付きが普通だった可能性もあるが、最近使われている路線車の場合、スペアなしが一般的と言えそうだ。
後輪がパンクした際は、ほとんどの車両が片側二重のダブルタイヤを履いており、1本パンクしただけなら、近隣の車両修理施設くらいまでは自走して移動できる。
深刻な状況になるのは、どちらかと言えば前タイヤのトラブルだ。しかし自力での現地対処はあまり想定していないようだ。
さらにリサーチを進め、大型車に詳しい各位に問い合わせてみたところ、路線車にスペアを積まないのは、それ相応の理由があるらしい。
路線車は車内スペースの殆どを客室に割いており、中にタイヤを置いておける場所がないのが第一の理由。第二に、最近の路線車はバリアフリー対応によって、タイヤとシャシーの隙間(地上高)が極めて低くなっている。
タイヤの幅と地上高のスペースに全く余裕がないと、タイヤを取り出すだけで物凄い労力が掛かる。それならパンクした際はロードサービスを呼んだり、救援を出したほうが簡単に対処できる、というわけだ。
さらに、路線車の多くが短距離を走るため、バス事業者の営業所が極端に遠くなるケースは稀だ。
営業中のバス車両がパンクしても、代替の車両を出すのにそこまで時間はかからないハズだ。利用者側からしても、修理を待たず乗り換えて移動を続けたほうが恐らく早い。
路線車にスペアタイヤを積まないのは、車両の構造的な事情もそうだが、路線車の運用方法を考えると、むしろ「必要ない」くらいまで割り切ってしまって問題ないのかも知れない。
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