今回紹介するカタログは、日野のRD100。1967年〜76年にかけて生産された車両で、カタログの表紙には[日野ディーゼル・バスRD100]と記されている。
●車両データ:日野 RD100
(記事の内容は、2021年9月現在のものです)
執筆/バスマガジン編集部 カタログ提供/難波有
※2021年9月発売《バスマガジンvol.109》『懐かしバスのお宝カタログ』より
■このクラス初のリヤエンジン車!! 走りの設定は3タイプ
ボディは1タイプで、扉は前か中かを選べ、シート配列もロングの三方シートか前向かを選べた。なお、中扉は引き戸か折戸かを選べたことがカタログ写真からうかがえる。前扉車の写真は掲載されていないが、図版から折戸があったことも読み取れた。
全幅は2460mmなので大型のカテゴリーだが、全長は9285mmなので“大型の短尺車”。ホイールベース4300mmの9メーター車とも呼ばれるものだ。
これまでこのクラスは「ブルーリボン・マイナー」など、センターアンダーフロアエンジンというレイアウトのものが製造されていたが、大型バスがリアエンジンのRB系に切り替わっていくことに呼応するように、このモデルから9m車もリアエンジン車になっていった。
日野で初めての9mサイズのリアエンジンバスがこのRD100で、10mサイズのRE/RCはこの後に続くことになる。
このカタログはデビュー時のものなので、掲載されている写真では丸型2灯のヘッドライトだが、1970年にマイナーチェンジされ、精悍なイメージの角型の4灯に進化している。
パワートレーンは7014cc・直6のディーゼルエンジンで、最高出力は140psを2200rpmで発生。トルク特性も良好で、44.0kgmを1600rpmで発生、5速のギヤボックスでドライブする。
外観はドア位置をチョイスできる点以外は共通だが、一般用、高トルク用、高速用という走行特性の設定があり、各ギヤ比と最終減速比に違いを設定していることも、カタログの諸元表から読み取ることができた。
この3つの走行設定はカタログ写真でも使い分けられ、一般用では都市のビル群の中を[丸の内]の方向幕を掲げた車両が走り、高トルク仕様では山岳ハイウェイの様な道を[箱根]の方向幕で、そして高速用では[横浜―藤沢]の方向幕で高速道路を走行するシーンが紹介されている。
カタログ最初のページでは、渋谷公会堂前をロケ地に、車掌を伴った乗降シーン、続くページでは三方シートの車内で乗客のきっぷを車掌が捌くシーンが紹介され、1967年当時のバスシーンをいまに伝えている。
【画像ギャラリー】扉位置や走行特性などを選択可能!! 現代にも通じる「ブルーリボン」のルーツとなった日野 RD100のお宝カタログ(8枚)画像ギャラリー
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