今も意外と……いや元気に走っているゾ!!　「浮いた」感じのバス車両の存在感がありすぎる!!

　最近は30年前のように、バス会社ごとに車両の姿形が違うような、ぐじゃまんとしたバスのバリエーション展開は見られなくなっている。とはいえ、「これ何の車種だ?」と一瞬考えてしまうような、浮いた存在感を放つクルマも現行車に混ざって活躍していることがある。

文・写真：中山修一
（他と違うバス車両の写真付きフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください）

■中型が主流の三島駅バスターミナル

　今回そんな浮いた車に出会したのは静岡県の三島駅前。三島駅前には新幹線改札側の北口と、在来線改札側の南口にそれぞれバスターミナルが置かれている。

　先日、南口へ訪れて、バスに乗り換える待ち時間を利用して駅前バスウォッチを行った。南口には大型の高速車も乗り入れてくるが、路線バスのほうは全長9mクラスの中型路線車がかなり多く、中型LOVEな向きには素敵なバススポットだ。

　ロータリーの内側にはバスの待機スペースが設けられ、そこには出発前の時間調整を行うバスがひっきりなしに出入りしていて、様子を眺めていると結構楽しい。

■案外ラインナップ豊富

　三島駅前バスロータリーにやってくる中型路線車の車種をチェックすると、他所と同様に、いすゞ／日野製の車が多めな印象。

　まず現行車である、吊り目2灯ライトのいすゞエルガミオ、もしくは共通設計の日野レインボー。レインボーのほうは製造時期によって顔の違うタイプがあり、レインボーIIと呼ばれる角目2灯の車も三島駅前で見られる。

　少し古めの車両も現役続行中で、代表格と言えるものが、角目4灯ライトを持つフルモデルチェンジ前のレインボー。この車は全国各地で今も広く使われている。

　角目4灯をバンパーにビルトインした、西日本車体工業製「96MC」の車体を載せた日産ディーゼル車や、三菱ふそうが製造していた中型路線車の「エアロミディ」ほか、やや少数派かな? と思える車も現れ、画一化が進む昨今の路線バス事情の下ながらも、まだまだ結構具沢山だ。

■三島で出会った「あれっ?」な1台

　そんな中、エルガミオでもレインボーでも、96MCでもエアロミディでもない、何やら変わった風体の中型路線車が1台、ロータリー内側の待機スペースに停まっていた。

　白地に青・赤・緑のラインが入り、白いライオンのマスコットが掲げられている伊豆箱根バスの車両。「おでこ」まで届く1枚窓の大型フロントガラスが、ガラスを左右2枚に分ける標準的な中型路線車と異なる存在感を放つ。

　ガラスが屋根近くまで届いているため、行先表示器が車内に取り付けられているのも特徴。ワイパーは高速バス車両ではポピュラーながらも、中型路線車では珍しい腕組型だ。

　バスを区別する上で重要な見どころであるヘッドライトに注目すると、角目4灯のヘッドランプとフォグランプ、ウインカーがバンパーに埋め込まれた一体型になっており、そのライトユニットはバンパーの脇まで続いている。

　はてこの車、あまり見たことがないような?? バンパーにライトのあるレイアウトといえば、西日本車体工業が手がけたボディによく見られるデザイン。リア部分のラインも西工っぽい気がする。果たしてそうなのか、現地で見て物凄く気になってしまった。

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