路線車との完全なる棲み分けを迎えた時代に登場した日野高速ツーリングコーチを当時のカタログで見る

路線車との完全なる棲み分けを迎えた時代に登場した日野高速ツーリングコーチを当時のカタログで見る

 日野の観光バスの始祖であるRVは1967年にデビューした。今回紹介するカタログは1972年から1978年にかけた生産されたRV730P、RV750P、RV530P、RV550PとRC300P、RC320Pが紹介されている。

●今回の車両:日野高速ツーリングコーチ RV、RC系

(記事の内容は、2023年5月現在のものです)
執筆/バスマガジン編集部 カタログ提供/難波 有
※2023年5月発売《バスマガジンvol.119》『懐かしバスのお宝カタログ』より

■フロントに冠した「Hino」マークがひときわ輝いて見える誇り高いバスの誕生!!

表紙。このカタログは誌面を横長に使い、見開きでダイナミックにレイアウトされている
表紙。このカタログは誌面を横長に使い、見開きでダイナミックにレイアウトされている

 日野の観光バスの始祖であるRVは、1967年にデビューした。今回紹介するカタログは1972年年〜1978年にかけた生産されたRV730P、RV750P、RV530P、RV550PとRC300P、RC320Pが紹介されている。

 当初のRVは、観光バス専用のシャシーにV8エンジンを搭載したRV100Pとして登場。ボディは帝国、金産、富士が架装していた。

 1972年に行なわれたフルモデルチェンジにより、その第二期として登場したのが、本カタログのRV730PとRV550Pだ。

 エンジン出力が2種、ボディ長も2種というバリエーションを揃え、商品力のアップによりユーザーの選択肢が広がった。特にRV730PとRV750Pに搭載されたターボエンジン[EF100]は350psを発生し、ライバル車に差をつけた。

 なお、型式末尾の「P」はエアサスであることを示し、PVの10番台の数字の30はホイールベースが5567mm、50が6500mmを表す。RCは00がホイールベース2500mm、20が5670mmだ。

 そのRC系も、2種類のホイールベース車が用意された。また山道を走るユーザー向けにホイールベース4800mmのものも改造扱いで用意された。RC300改だ。

 またトランスミッションにもバリエーションがあり、事業者によって4速と5速が選ばれた。この時代はまだ、変速操作にダブルクラッチを要していた。

 路線バスとしても人気が高かったRCだが、それであるがゆえに本カタログで紹介されている観光専用モデルとしての認知が遅れた傾向がある。

 1977年に日本初のスケルトンボディを持つRSが登場することで、日野は観光バス界の頂点に立つが、高額なRSが高級観光バスとして導入されるのに対し、一般観光型としては引き続きRVが継続生産された。当時はまだスケルトンがレアだったため、保守的な事業者はRVを選ぶところも多かった。

 そして1990年、フルモデルチェンジによって「セレガ」が登場する。

【画像ギャラリー】日野 セレガの前身!! 1972年から1978年にかけた生産された高速ツーリングコーチ・RV&RC系のお宝カタログ(9枚)画像ギャラリー

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