ヨーロッパのバス事情もなかなか大変!? 混雑緩和の切り札はダブルデッカーか…はたまた連節車か?

■連節車が合わなかった場所もある

 しかし、通常の路線バスより全長が長いことによる取り回しの悪さは拭えず、2000年代に一時的に導入したロンドンでは、内輪差で自転車が巻き込まれる重大事故が多発して、すぐに一般的なダブルデッカーへ置換えられた。

 慣れの問題もあるが、運転手にも市民にも、ロンドンに連節車は合わなかったのかもしれない。

イカロスの連節車。中欧でも、比較的古くから連節車が使われていた歴史がある
イカロスの連節車。中欧でも、比較的古くから連節車が使われていた歴史がある

 ダブルデッカーとは異なり、一般的な連節車に縦方向の制約はないものの、やはり前後方向には伸びているので、あまり狭い路地へ入り込むと大変なことになる。

 以前イタリアで、回送をするために普段通らない一方通行の道路へ進入し、前にも後にも進めなくなって立ち往生、という笑い話に近い状況を目撃した。

ダブルデッカー・連節車共に、通常車体の車両と比較すれば制限が多い。うっかり間違った道へ進入すれば立ち往生してしまう
ダブルデッカー・連節車共に、通常車体の車両と比較すれば制限が多い。うっかり間違った道へ進入すれば立ち往生してしまう

 運転手は行けると思ったのかもしれないが、どうやらこれは無謀な挑戦だったようだ…。

 ヨーロッパにおいても、一般的な路線バスにおいて2階建て車両というのはかなり特殊な事例ではあるが、2階からの眺めは格別で、市内運賃だけで乗るのは申し訳なく感じるほど。

 読者の皆様も、英国や独ベルリンを訪れることがあれば、是非2階席に座って車窓観光を楽しんでみて欲しい。

【画像ギャラリー】ダブルデッカー vs. 連節車(10枚)画像ギャラリー

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