1960~1970年代にタイムスリップ!! それは、天窓やヒサシのあるバスが走る時代だった

■全国的に好む会社が多かったヒサシ

【写真6】宮崎交通は、川崎・呉羽・三菱・西工など、頭の丸いボディにはほぼヒサシを装着。写真は延岡市内線の川崎ボディいすゞ BU20(1980年)
【写真6】宮崎交通は、川崎・呉羽・三菱・西工など、頭の丸いボディにはほぼヒサシを装着。写真は延岡市内線の川崎ボディいすゞ BU20(1980年)

 もう一つ古い写真に写るバスの中で外観的に特徴があって今は見られないのが、フロントガラスの上部に「ヒサシ」をつけたバスである。

 1960年代までのバスボディは、どのメーカーも前頭部は丸い形でデザインされ、屋根が丸くカーブしてフロントガラスにつながっていた。その意味では上方からの太陽光を遮るものがなく、ヒサシに意味はあったものと思われる。

 しかしヒサシがつくかどうかは、まさに各事業者の“好み”といってもよかった。

 例えば日差しが強い南国のバスがみんなヒサシ付きというわけではなく、北海道でも沖縄でもヒサシ付きのバスを導入する事業者もあれば、ヒサシをつけない事業者もあるといった具合だった。

 【写真6】と【写真7】はいずれも“頭”の部分が丸いボディのヒサシ付きのバスで、結構デザイン的にも似合っていると個人的には思っている。

 1970年代に入って、どのボディメーカーも“頭”の部分を最初からヒサシ状に張り出させるデザインに変わっていった。

 実際にヒサシ的な効果があったかどうかはともかく、フロントガラスの上部にヒサシをつける場所もなくなってきたため、1972年ごろを境にヒサシ付きのバスは激減。

 しかし、庄内交通や神姫バスなどのように、新型のボディになってからも窓上のヒサシを装着し続けた事業者も散見された。もっとも、ボディがスケルトンタイプに変わったのちはさすがに事例がなくなっている。

【画像ギャラリー】バスのボディに彩りを添えた風変わりなデザイン……1960年代に見られた「天窓」と1970年代に見られた「ヒサシ」(8枚)画像ギャラリー

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