旅に「食」は欠かせない要素、であるのは確かだけれど……移動手段としては何かと制約の多いローカル路線バスを使って旅する最中、殊にお昼ご飯をどう済ませているのか。あくまで個人の意見に止まるのを断りつつ、イチ旅行者のランチ事情を綴ってみたい。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、路線バス旅とランチにまつわる写真があります)
■ローカル路線バス旅のランチ事情
2022年8月から『バスマガジンWeb』に寄稿を始め、これまで554本のエピソードを紹介してきた中、テーマに合致した写真を持っていなかったり、話自体が旅系だったりする場合は、バス旅の体で適宜ロケに出ている。
バス旅には好みの関係で、一般道だけを走るローカル路線バスを使う機会が多め。そんな道中、お昼をどうしていたか思い起こしてみると、実は「食べない」を選ぶ日のほうがむしろ平常通りだったりする。
旅先で食べ物は非常にデリケートなトピックで、もし誰かと一緒に行動している際の「食べない」は、その旅の行く末に影響するほどの超リスキーな選択肢ながら、可否を自由に決めて良いのは一人旅の特権。
■食えないのにはワケがある?
もちろん、100%全く食べないというわけではく、気が向くと目ぼしいお店を見つけて入ったり、茶色いフィンガーフードに手を出したりもする。だけれど個人的にランチが極めてレアなイベントの立ち位置にいるのは間違いない。
ではどうしてローカル路線バスを使った旅の最中、それほどお昼を食べないのか。これはこれで、ローカル路線バスとその旅が持つ、特有の性質が少なからず関わってくる。
まず、ローカル路線バスといえば本数が極めて限られているのが王道。そのような筋の細〜いバスを何本か繋ぎ合わせて長い距離を移動してみるチャレンジ系の行程を組んだ場合、乗り継ぎ猶予を計算に入れると純粋にお昼を食べる時間が取れない、という場面にかなり出くわすのだ。
どこかで買って移動中のバス車内で食べる、のような発想は持ち合わせていても行動に移す気が皆無な手前、バスを降りているときにチャンスがなければご縁に恵まれず……である。
■とても切実な物理的問題
続いて、ローカル路線バス旅と「ローカル」が付くだけに、バスの走る場所もまた広々としたローカルエリアになるのもごく自然。
都会ならコンビニやチェーン系飲食店の一つや二つ、すぐ視界に入ってくるかもしれない。ところが真のローカルとなればそう簡単には行かない。
バスを降りたらコンビニどころか個人商店すら見つからず、ましてや「飲食店」なんて、言葉に出すだけで信濃川が干上がるほどの幻影っぷりを見せつける場所だって、何気に珍しくなかったりする。
また、乗り継ぎの合間に周囲を歩いて、ポツンと1軒だけ奇跡的にお店が営業しているのを発見した流れも決して油断できない。
好事魔多しとでも言うか、何故かそういう時に限って他の人とお店に入るタイミングが丸被りしたりして、当方としてはあまりの気まずさに「あ、やっぱりやめとこ」に行き着いてしまう。
これはローカル路線バス→JRのローカル鉄道線への乗り継ぎ時間にお見舞いされた思い出になるが、猶予が1時間4分あり、これならお昼行けるだろうと近くの蕎麦屋に入店。
すると平日のお昼時でお客が集中したのか結構忙しそうで、ホール係のおばちゃん半ギレ状態で注文取りに来つつ「時間かかりますよ」と、ぶっきらぼうに言われた。
時間かかると言っても蕎麦なら……業務用の麺使ってるみたいだし平日だし、まあ長くても30分待ちくらいでしょ? と思って一旦OKした。
ところが58分待っても出てこなかったので、まだ調理に着手していないかを確認(なお進捗ゼロ)したのちキャンセル退店、なんてことが前に北海道であった。
提供時間までは通常なら考え難いといえど、そんな事例も起こり得るわけで、これもまた本人の意思に関係なくランチを遠ざけてくれる理由の一つに化けて暗躍しているのだ。







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