【初日の出乗りバスレポート】伊勢では三重交通をフル利用で初日の出を2度見られるってマジ?

■初日の出は皆さん動画ってマジ?

2025年の初日の出
2025年の初日の出

 内宮前を出発したバスは宇治浦田町の交差点を右折して浦田橋を渡ると、伊勢志摩スカイラインに入り朝熊山を上っていく。伊勢志摩スカイラインは伊勢市と鳥羽市を結ぶ有料道路で、延長は16.3kmである。スカイラインというだけあり、見晴らしは素晴らしく伊勢湾が見渡せる。日没後は伊勢平野に広がる夜景を見ることができる。

運賃は900円也!
運賃は900円也!

 標高555mの朝熊山頂展望台では、展望足湯や天空のポストが設置されておりゆっくりと眺望を楽しむことが可能だ。この初日の出バスは山頂まで行ってくれるとありがたいのだが、他の自動車などの混雑に巻き込まれるのを避けるため山頂展望台下にある金剛證寺バス停までとなっている。ここからは山頂まで徒歩で10分ほどである。暗い山道を同じくバスに乗っていた乗客らと上っていくと展望台に到着した。

様々な種類のバスが臨時便として集まる
様々な種類のバスが臨時便として集まる

 既に辺り一面人だかりで、駐車場も満車という状態でざっと見た感じでも数百人はいるだろうか。多くの人たちが今や遅しと日の出をスマホ片手に待っていた。筆者はあまりの強風と寒さがこたえたので終夜営業している売店に入って日の出直前まで待機することとした。徐々に空が明るくなってくると、見晴らしのいい場所には多くの人が集まっているのがよく確認できた。

シーズン中の内宮前臨時バス停は一大ターミナルと化す
シーズン中の内宮前臨時バス停は一大ターミナルと化す

 これだけいると、どこから太陽が上がるのか分からなくなりそうだが、展望台の手すりに方向を示す看板を見つけたのでなんとか見当をつけることはできた。そして手元の時計で午前6時58分、伊勢湾の向こうからゆっくりと太陽が見えてきた。

周辺道路はバスレーンが設置され渋滞なしで移動できる
周辺道路はバスレーンが設置され渋滞なしで移動できる

 それぞれが一斉にカメラやスマホを腕いっぱいに伸ばして撮影を始める。水平線近くに雲が横に広がっていたので見れるのかどうか際どいようにも思えたが、2025年の初日の出を無事に見ることができた。

三重交通の波動輸送ではど各ターミナルで移動改札機が大活躍!
三重交通の波動輸送ではど各ターミナルで移動改札機が大活躍!

■初日の出は2度拝めるってマジ?

内宮前で2度目の初日の出
内宮前で2度目の初日の出

 初日の出を拝んだ後は展望台の茶屋であおさ汁のふるまいなどのイベントが行われるのだが、筆者は急いで山道を下りる。理由は再び内宮前に向かうバスに乗車するためである。行きは内宮前から5時30分と5時50分の2本が設定されているが、帰りは7時15分から8時の間で随時運行ということになっている。

ちょっと古めのバスもなんのその!
ちょっと古めのバスもなんのその!

 もちろん運行時刻が分かっている最初のバスに乗車するという目的もあるが、実はもう1つ、このバスに乗らなければいけない理由がある。今しがた上ってきた道を今度は軽やかに下っていく。やはり一斉に下りていくと交通集中もあり、帰りは30分ほどかかって内宮前の臨時バス乗り場に到着した。辺りは人で溢れかえっている。

日が昇ると参拝客がさらに増える
日が昇ると参拝客がさらに増える

 というのも、内宮にかかる宇治橋からの初日の出を見るためである。そう、宇治橋と朝熊山では日の出時刻が異なる。宇治橋からは神宮の森から上がるので、水平線と比較するとタイムラグが発生し、だいたい7時45分ごろが日の出時刻になる。

もちろん神都ライナー「エルガデュオ」も活躍中!
もちろん神都ライナー「エルガデュオ」も活躍中!

 朝熊山では6時58分だった。その後に7時15分の最初の内宮前行きバスに乗れば、なんと初日の出がもう一度拝めるという寸法だ。さすがにこの人だかりなので、いいポジションで見れるわけではないが、1日2度という特別感は元日ならではの貴重な体験だろう。

一般の人には「古い観光バス」だけどマニアには「乗っておかねば!」の一台?
一般の人には「古い観光バス」だけどマニアには「乗っておかねば!」の一台?

次ページは : ■結局バス利用が最も早いってマジ?

最新号

【12月20日発売】巻頭特集は「岩手県交通」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン127号!!

【12月20日発売】巻頭特集は「岩手県交通」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン127号!!

バスマガジン Vol.127は12月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、岩手県交通を特集。続く特集では、バスの用品やパーツなどを開発している企業とアイテムを紹介する[バス用品探訪]ではバスの交換用ヘッドライトを紹介。そしてモノクロページの特集で注目していただきたいのが、[絶滅危惧種になっているアルピコのバス]だ。そして後半カラーでは、本誌の強力な連載[終点の情景を求めて]に注目。今号は京都京阪バスの「猿丸神社」を訪ねる。