新型コロナウイルスの拡大によって、一部の企業で定着したリモート勤務。それなら、何も自宅にこだわらず、環境のいいリゾート地で仕事をすれば効率も上がる、というのが「ワーケーション」だ。リモート勤務普及のため政府も推奨している。
そこで、京王バスらが、新宿~飛騨高山線の高速バスと、奥飛騨温泉郷(岐阜県)に新たに開業したワーケーション施設の利用券をセットにした「奥飛騨お試しワーケーションきっぷを、この度販売開始した。
文:バスマガジン編集部/写真:オーエイチ
【画像ギャラリー】高速バスで奥飛騨温泉のワーケーションへ!!
古民家を再生したワーケーション施設
「奥飛騨お試しワーケーションきっぷ」は、バスタ新宿~平湯温泉バスターミナル間の高速バス乗車券(片道)に、平湯~福地温泉の濃飛バスの路線バス乗車券(片道)とワーケーション施設「Corritrip &WORK奥飛騨 萬葉館(ばんばかん)の3時間利用券がセットになっており、一人5,500円。「ハイウェイバスドットコム」のスマートフォン用アプリから購入できる。
6月25日にグランドオープンした「Corritrip &WORK奥飛騨 萬葉館は、築200年以上という古民家を再生したワーケーション施設だ。ビジネス用のデスクが設置された業務スペースや会議室、「Zoom」などで外部とオンライン会議をすることができる個室などで構成される。
業務スペースは、異なる職業の人たちが交流しながら仕事をするコワーキングも想定されている。建物自体は古いが、電源やWi-Fiなどビジネス環境が整えられ、囲炉裏を囲む休憩室も利用できる。
奥飛騨温泉郷の一角、福地温泉にあり、周囲は滞在向けの静かな旅館が多い。旅館の通信環境に限界があるので、連泊客の昼間の利用を見込んでいる。
超小型EVの貸し出しも行われる
同日には、超小型電気自動車「トヨタ・コムス」や電動自転車の貸し出しを行う「モビリティステーション奥飛騨」もグランドオープンした。こちらは平湯温泉バスターミナルから徒歩2分の場所にあり、新宿発の高速バスから乗り継ぐことで、奥飛騨温泉郷の各旅館への「ラストワンマイル」の足となる。
両施設を運営するオーエイチは、観光産業を対象に、主に海外からの観光客誘致の支援を行ってきた企業。バスの分野では、国土交通省「高速バス情報プラットフォーム」や、京王バスの「ハイウェイバスドットコム」外国語版、東急バスや国際興業バスなどの公式サイトの外国語版などの制作を担当。
高橋英知代表取締役は、「観光産業は厳しい状況だが、観光協会、宿泊施設、バス会社などとのつながりという強みを活かし、地域創生に貢献したい」としている。