都市高速をゆっくり流す!
引野口を発車するとそのまま黒崎ランプから都市高速に入り小倉に向けて走り出す。北九州高速4号線はかつては日本道路公団が管理する一般有料道路の北九州道路と北九州直方道路で九州道と関門道を接続する一般有料道路だったのが、九州自動車道が全通したのを受けて都市高速道路に組み込まれた経緯がある。
よってランプのほとんどが双方向に出入りできるフルインタ-チェンジで、引野口がある黒崎ランプは今でも黒崎インターと呼ばれ、停留所名も「黒崎インター引野口」を名乗る。
都市高速道路は山沿いに建設されているために北九州工業地帯を所々望むことができ、眺望はなかなかのもの。いくつかのトンネルが存在するのも北九州道路として建設されたゆえんだ。
一気に小倉市街地へ!
香月快速は八幡西区から八幡東区を通り紫川ランプで都市高速を出て小倉北区に入る。高速バスのひきの号は紫川ランプから三萩野停留所へ直行するが、香月快速は伝統的に紫川沿いに北上してから、貴船町・黄金町に停車する。
この付近にはTOTO本社や商業地域が広がる。小倉市街地は快速運転で主要停留所にしか停車しない。
三萩野に停車すればあとは高速バスと同じルートで、平和通り、小倉駅前、砂津に停車する。終点の砂津には10分遅れで到着した。全線にわたりクローズドドアではないので、小倉に入ると行き先表示は経由地なしの「砂津チャチャタウン」一色に変わり一般路線バスとしての機能も果たす。
当地は西鉄バス北九州の本社と小倉営業所があり、香月快速が到着する側は「チャチャタウン小倉」という商業施設になっている。この場所はかつての西鉄北九州線(路面電車)砂津車庫があった場所で再開発により商業施設になった。
下りは夕方のみだが乗る人は多い!
朝に八幡西区南部から小倉市街地を直結した香月営業所のバスが、また香月快速として戻るのは夕方だ。その間は砂津と黒崎を結ぶ一般路線バスとして運用される。
下りの「星ケ丘五丁目」行きは夕方から運行されるが、小倉の市街地から乗る人は多い。北九州市内のバスに乗り放題の1日乗車券や24時間券、あるいは得パスという全線定期券では、たとえ北九州市内であっても高速・特急バスには乗れないので、平日の上りでは立席で都市高速に入るほどだ。
前述の1日乗車券や24時間券や得パスでは香月快速と路線が重複する小倉-引野口では一般路線バス扱いの香月快速と150番、砂津発着ではないが143番くらいしか乗車できないのも理由のひとつだろう。
往路で乗った同じバスが来た!
砂津から乗車した下りの香月快速は、朝に上りで乗車した同じ車両が来た。昼間は砂津と黒崎を往復して、ようやく帰路に就く香月営業所のエアロスターだ。
紫川ランプから都市高速に入ると、山路ランプ、大谷ランプを通過して本線上のバスストップである「高速皿倉山ケーブル」(八幡東区)に停車する。
とうきょうスカイツリーとほぼ同じ高さで、北九州市で最高峰である皿倉山へ登るケーブルカーは当地のすぐ近くに駅がある。ちなみに北九州都市高速4号線には本線上バスストップが2か所ある。
そして黒崎ランプで都市高速を降りると、高速バス乗降用のバス停には行かずに国道211号線の直方方面の一般路線バス用停留所に停車して、星ケ丘五丁目を目指す。紫川ランプ・高速皿倉山ケーブル・黒崎ランプを降りるまでのダイジェスト動画をご覧いただこう。
記者が下車したのはかつての小嶺営業所が存在した「小嶺車庫」停留所だ。小嶺営業所が手狭になったことから国鉄香月駅跡地に広大な西鉄香月営業所ができると、しばらくして小嶺営業所は廃止され、敷地を縮小の上で発着のための待機転回場としての小嶺車庫になった。