西鉄バス北九州の都市高速名門路線「香月快速」に乗る!!

 今回の乗りバスシリーズは西鉄バス北九州の伝統路線「香月快速」。北九州市八幡西区の南部と小倉北区の市街地を直結する伝統の路線だ。都市高速道路を経由する路線バスが圧倒的に多い西鉄だが福岡市内ほど多くないものの、北九州市内でも運転されている。そのうち、最も歴史が長いのが本稿でレポートする通称「香月快速」だ。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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【画像ギャラリー】西鉄バス北九州の都市高速伝統路線「香月快速」乗りバスレポート


伝統の香月快速は発着地を変えても健在!

 かつては筑豊電鉄・筑豊香月駅にある「筑鉄香月」停留所発着だったので昔から「香月快速」と親しまれていたが、現在では筑鉄香月発着を都市高速経由150番に譲り、「星ケ丘五丁目」発着になっている。

 しかし小倉側の経路は昔のまま変わらない。昔は標準床トップドア車が1日中往復していて、香月快速専用のポケット時刻表が西鉄から配布されていたほどだ。

香月営業所3288は三菱ふそうエアロスター
香月営業所3288は三菱ふそうエアロスター

 現在では本数は激減し平日は朝の小倉方面行き、夕方の星ケ丘五丁目行きのみを残し通勤・通学の足として、土休日は午前中の小倉方面行きと夕方の星ケ丘五丁目行きで買い物やレジャーの足として残る。星ケ丘五丁目は近年開発された八幡西区最南部の住宅地で、数分歩けば直方市になる鉄道空白地だ。

八幡西区と小倉駅を直結する通勤・通学・お出かけ路線だ!
八幡西区と小倉駅を直結する通勤・通学・お出かけ路線だ!

 車両もトップドア車から一般の路線車になり昔を知る層にはさみしい気持ちもあるが、伝統の路線には変わりがなく現在でも「香月快速」と通称される。担当は香月営業所だ。

上り「小倉・砂津」行きに乗車!

 今回の乗りバスは上りを下上津役(しもこうじゃく)から乗車し、下りをかつての担当営業所であった小嶺営業所、現在の小嶺車庫まで往復乗車した。北九州都市高速道路4号線のうち、黒崎-紫川間10.9キロメートルを走行する。都市高速道路を走行する距離としては長い方だ。

下上津役付近の国道211号線は旧長崎街道に沿い所々に旧道があり往時をしのばせる
下上津役付近の国道211号線は旧長崎街道に沿い所々に旧道があり往時をしのばせる

 星ケ丘五丁目を出発すると馬場山を経由して国道211号線を黒崎方向に走る。以前は快速の名の通りキビキビ通過していたのだが、現在では八幡西区側で通過する停留所はほとんどなく、ほぼ各停状態だ。

 国道200号線と北九州都市高速道路4号線が交わる「黒崎インター引野口」停留所は、新宿行き「はかた号」も停車する高速バス乗り場に停車する。

上り便は高速バス乗り場に付ける
上り便は高速バス乗り場に付ける

 引野口から小倉方面へは福岡からの高速バス「ひきの号」「いとうづ号」も利用できるが、ひきの号は早いが本数が激減し朝ラッシュ時のみの運転で、いとうづ号は高速バスにもかかわらず香月快速よりも手前で都市高速を降りて一般道を走るために快速よりも時間がかかる。

都市高速をゆっくり流す!

 引野口を発車するとそのまま黒崎ランプから都市高速に入り小倉に向けて走り出す。北九州高速4号線はかつては日本道路公団が管理する一般有料道路の北九州道路と北九州直方道路で九州道と関門道を接続する一般有料道路だったのが、九州自動車道が全通したのを受けて都市高速道路に組み込まれた経緯がある。

黒崎ランプでETCレーンを通過!
黒崎ランプでETCレーンを通過!

 よってランプのほとんどが双方向に出入りできるフルインタ-チェンジで、引野口がある黒崎ランプは今でも黒崎インターと呼ばれ、停留所名も「黒崎インター引野口」を名乗る。

都市高速本線を走る香月快速
都市高速本線を走る香月快速

 都市高速道路は山沿いに建設されているために北九州工業地帯を所々望むことができ、眺望はなかなかのもの。いくつかのトンネルが存在するのも北九州道路として建設されたゆえんだ。

都市高速からの北九州工業地帯の眺め(黒崎付近)
都市高速からの北九州工業地帯の眺め(黒崎付近)

一気に小倉市街地へ!

 香月快速は八幡西区から八幡東区を通り紫川ランプで都市高速を出て小倉北区に入る。高速バスのひきの号は紫川ランプから三萩野停留所へ直行するが、香月快速は伝統的に紫川沿いに北上してから、貴船町・黄金町に停車する。

 この付近にはTOTO本社や商業地域が広がる。小倉市街地は快速運転で主要停留所にしか停車しない。

紫川沿いを北上して市街地に入る
紫川沿いを北上して市街地に入る

 三萩野に停車すればあとは高速バスと同じルートで、平和通り、小倉駅前、砂津に停車する。終点の砂津には10分遅れで到着した。全線にわたりクローズドドアではないので、小倉に入ると行き先表示は経由地なしの「砂津チャチャタウン」一色に変わり一般路線バスとしての機能も果たす。

砂津に到着した香月快速
砂津に到着した香月快速

 当地は西鉄バス北九州の本社と小倉営業所があり、香月快速が到着する側は「チャチャタウン小倉」という商業施設になっている。この場所はかつての西鉄北九州線(路面電車)砂津車庫があった場所で再開発により商業施設になった。

下りは夕方のみだが乗る人は多い!

 朝に八幡西区南部から小倉市街地を直結した香月営業所のバスが、また香月快速として戻るのは夕方だ。その間は砂津と黒崎を結ぶ一般路線バスとして運用される。

砂津のバスロケに表示された香月快速
砂津のバスロケに表示された香月快速

 下りの「星ケ丘五丁目」行きは夕方から運行されるが、小倉の市街地から乗る人は多い。北九州市内のバスに乗り放題の1日乗車券や24時間券、あるいは得パスという全線定期券では、たとえ北九州市内であっても高速・特急バスには乗れないので、平日の上りでは立席で都市高速に入るほどだ。

砂津で北九州空港行きのエアポートバス(前に写っているいすゞガーラ)が発車するまで順番待ち
砂津で北九州空港行きのエアポートバス(前に写っているいすゞガーラ)が発車するまで順番待ち

 前述の1日乗車券や24時間券や得パスでは香月快速と路線が重複する小倉-引野口では一般路線バス扱いの香月快速と150番、砂津発着ではないが143番くらいしか乗車できないのも理由のひとつだろう。

往路で乗った同じバスが来た!

 砂津から乗車した下りの香月快速は、朝に上りで乗車した同じ車両が来た。昼間は砂津と黒崎を往復して、ようやく帰路に就く香月営業所のエアロスターだ。

上りで乗車した同じバスが来た!
上りで乗車した同じバスが来た!

 紫川ランプから都市高速に入ると、山路ランプ、大谷ランプを通過して本線上のバスストップである「高速皿倉山ケーブル」(八幡東区)に停車する。

 とうきょうスカイツリーとほぼ同じ高さで、北九州市で最高峰である皿倉山へ登るケーブルカーは当地のすぐ近くに駅がある。ちなみに北九州都市高速4号線には本線上バスストップが2か所ある。

都市高速に本線上の高速皿倉山ケーブルバスストップがある(写真は上り線)
都市高速に本線上の高速皿倉山ケーブルバスストップがある(写真は上り線)

 そして黒崎ランプで都市高速を降りると、高速バス乗降用のバス停には行かずに国道211号線の直方方面の一般路線バス用停留所に停車して、星ケ丘五丁目を目指す。紫川ランプ・高速皿倉山ケーブル・黒崎ランプを降りるまでのダイジェスト動画をご覧いただこう。

西鉄バス北九州 香月快速 星ヶ丘五丁目行き 北九州都市高速道路ダイジェスト

 記者が下車したのはかつての小嶺営業所が存在した「小嶺車庫」停留所だ。小嶺営業所が手狭になったことから国鉄香月駅跡地に広大な西鉄香月営業所ができると、しばらくして小嶺営業所は廃止され、敷地を縮小の上で発着のための待機転回場としての小嶺車庫になった。

小嶺車庫に到着した香月快速
小嶺車庫に到着した香月快速

残してほしい伝統路線

 ちなみに下りでは引野口の時点で5分遅れで到着した。小倉市街地や八幡西区の渋滞で遅延はよくあることだが、都市高速道路上は立席乗車が認められるものの、回復するダイヤ上の余裕はなく終点まで遅延を引きずるケースが多い。

伝統の香月快速
伝統の香月快速

 それでも都市高速と並行する鹿児島本線・黒崎駅へのフィーダー路線に徹するだけではなく、小倉までの直結輸送を30年以上前から続けている伝統路線だ。バスファン的にはB高のようなトップドア車への復活を望みたいところだが、それよりも末永く存続してほしい路線でもある。

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