北海道後志(しりべし)総合振興局では自家用車の普及や人口減少などによるバス利用者の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による需要減少からの回復が遅れているなど、バス事業の運営維持が大きな課題になっている。
そんな現状を踏まえ、今年度からバスの利用促進を図ることを目的としたPR動画を職員自らが撮影・編集し、動画サイトなど に投稿する事業を開始している。
それでも廃止になってしまう路線があり、住民の足を守るために自治体が廃止後の運行を引き受けるのは地方のコミュニティバスによくある流れだ。しかし肝心のバスを購入することすら難しい自治体があり、こうした中でガバメントクラウドファンディングを立ち上げ支援を呼びかける。
画像ギャラリーには職員が寒さの中で撮影した写真を多く収録しているので合わせてご覧いただきたい。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】路線バスを引き継ぐ村営のバスをクラファンで購入!~北海道・赤井川村~(17枚)画像ギャラリー路線バスがなくなる!
北海道中央バスが運行する赤井川線(余市駅を起点に赤井川村までを結ぶ赤井川村唯一の地域公共交通機関)が、昨今の深刻な運転手不足や乗降客数の低迷により、2022年3月末で廃止になる。
永年にわたり赤井川村の地域公共交通を担った中央バス・赤井川線に対して地域として感謝の意を表すとともに、バス運行のバトンを受け継ぐ赤井川村を応援していくことを目的としたキャンペーンを計画しているが、こちらは昨今の感染症まん延により実施の目途が立っていない。
しかしバスを購入するためのガバメントクラウドファンディングは目標に達しつつある。
鉄道でもJRが廃止した路線を第三セクターが引き継いで運行を継続する場合、収入の多くが通学に頼るケースが非常に多い。通勤は自家用車で行ってしまうし、買い物も同様だ。途中や両端に大観光地がある場合は観光客も見込めるが、そもそも大観光地が近くにあれば廃止しなくてもいい。
よって自家用車を持たない通学定期を常用する学生が主要な乗客になってしまうが、少子高齢化によりそれも危うい。
バスは単独または鉄道に接続する重要な交通機関で事情は同じだ。赤井川村では北海道中央バス「赤井川線」の 廃止に伴い近隣町へのアクセス向上と通学や生活移動における交通手段の確保のため2022年4月以降は村営によるバス運行を予定しており、ガバメントクラウドファンディングを活用してバス車両を購入する計画だ。