■出発点呼
概ね出庫10分前には点呼場に行き、出発点呼を受ける。あらかじめ運行管理者が社用車でルートをひと通りチェックしてきたそうだ。それでバスの運行は可能と判断し運行はするようだった。記者は芝浦港南ルートなので、山手線の外側で海岸沿いが主なルートである。坂道はほとんどないが橋が多く、その部分の積雪についての注意伝達が行われた。
バスは空車でも重く、リアエンジン・リアドライブなので駆動輪にかなりの重量がかかる。よってダブルタイヤになっているのだが、それがため凍結や埋もれるような積雪でない限りはバスの運行にさほど支障はないということだ。ちなみにフジエクスプレスの路線車は全車がミックスタイヤかスタッドレスタイヤを履いているので、もともと浅い雪であればどのバスに当たっても走行可能なのだ。
それでも道路状況の変化をよく観察して変化があれば無線で逐一報告すること、そして決して無理はせず危険だと現場で判断すれば無線連絡して運行管理者の指示を仰ぐこと等の注意を各路線ごとに細かく受けて出発点呼は終了した。
■雪の中での回送
ラムコーダーが発車1分前であることを音声で告げた。出庫時刻になり静かに車庫を出だ。田町駅への回送からスタートだが、一般の道路はすでにかなりの車両が通行しており積雪はない。しかし相変わらず雪は降っている。
ただし小さいものを含めて橋の上は真っ白で、無理にアクセルを踏まず橋に差し掛かる前のスピードで惰性で入る。後輪が橋に乗ったことを確認してゆっくりとアクセルを踏み前輪の操舵に問題ないことも確認する。小さい橋だと惰性で通過してしまうので、通常よりも速度を落として走る。
田町駅には休日にもかかわらず待っている乗客がいたので、寒いだろうと思い発車時刻より相当前だがバス停につけてドアを開けて乗車してもらった。
■雪は降るものの天候は徐々に回復
途中で雪が最も強くなる時間もあり、他の路線ではバス停が一時的に休止になったところもあったようだが、芝浦港南ルートは橋上以外は特に問題なくほぼ定刻で走った。休日で交通量や乗客が少なく遅延する要因が少なかったこともあるだろうが問題なく運行した。田町駅で休憩交代のために次の運転士にバスを引き渡す際の引継ぎでは、やはり道路状況についての話が多くなる。
夕方には雪が残る程度で凍結やさらなる積雪はなく、乗客も戻ってきたが概ねダイヤ通りに走り、16時前に営業所に無事に戻ることができた。この日の仕業はこれで終了なので、到着点呼を受けて帰宅の途についた。それでもやはりレインボーブリッジを渡るのは怖くて、海岸通りから新大橋通を経由して帰るルートを走った。
雪国や北国では冬は常時雪対策をして運転するのだろうが、普段は積雪のない東京の場合は事業者により対応は異なるだろう。フジエクスプレスの路線車はミックスタイヤかスタッドレスタイヤを最初からはいているので、そもそも浅い雪であれば走行可能なのだが、記者にとっては初めてのバスでの積雪は貴重な経験になった。
こうした経験を積み重ねて、バスの運転士は運行が可能である限り大雨でも降雪でも道路状況を読みながら、安全にバスを運行しているのである。雪国ではない地域で積雪があれば乗用車は危険なので走らないだろうが、バスは人の流れをなるべく阻害しないように万端な準備と判断をしながら運行されるのである。
【画像ギャラリー】【バス運転士日誌】東京に雪が積もった日にバスはどうなっていたのか?(8枚)画像ギャラリー











コメント
コメントの使い方