■渋滞すると聞こえてくる「チャリーン」
ちなみに私がいた会社では、ガイドや運転士の手当は走行時間や走行距離が関係していた。走行距離に応じた手当は1キロ2円から始まり、昇給試験をクリアすることで少しずつ上がっていく。ただし、その昇給試験もなかなか大変なのだが、それについては稿を改めて紹介したい。
話を戻して、渋滞にはまると私は道路脇のキロポストを眺めながら、「今ので何円増えたかな?」と考えることも。渋滞が始まった瞬間、脳内には「チャリーン」とお金の音が聞こえてくるのである。
大型連休の車掌業務では、特に渋滞に巻き込まれやすい。身動きの取れない車内で、普段なら一瞬で通り過ぎてしまう景色をじっくり眺めたり、運転士さんと小声で世間話をしたり、次の仕事の勉強をしたりする。
渋滞だからこそできることも、意外とたくさんあるのだ。それもこれも、運転士さんがいるからこそだ。私たちは運転士さんに活かされるといっても過言ではない。
■運転士の存在
前述した通り、渋滞の車内で景色を眺めたり、次の仕事の勉強ができたりするのは、安全に運転してくださる運転士さんがいてこそなのだ。これはバス業界の理(ことわり)なのだ。
私たちガイドが眠気に襲われることはあっても、運転士さんにそれは許されない。どれだけ渋滞が続いても、どれだけ疲れていても、お客様の命を預かり前を向いてハンドルを握り続けなければならない。
ガイドが安心して案内に集中できるのも、お客様が車内で眠ったり、景色を楽しんだりできるのも、運転士さんが安全を守ってくれているからである。
実はガイドは、運転士さんの疲れや様子にも目を配りながら、必要な休憩を一緒に考え、お客様への案内を引き受ける。運転士さんが安全にバスを走らせ、ガイドがお客様の安全と楽しさを守る。どちらか一人だけでは、バスの旅は成り立たない。
大型連休のたびに、「何がゴールデンウィークだ。私たちにとってはゴールデンワークだ!」と散々ぼやいているが、世間の人たちが待ち望んでいる休日を、私たちはバスの中から支えている。
渋滞の列に巻き込まれながらも、運転士さんとガイドが二人三脚で、その旅をつないでいく。休みを妬んでいる私も、そんな「ゴールデンワーク」が、案外嫌いではないのかもしれない。誰かが家族や友人と笑い合い、楽しかった思い出を持って帰れるますように…。
【画像ギャラリー】【へっぽこバスガイドの珍道中】大型連休はゴールデンワーク?忙しいながらも色々やってます!(5枚)画像ギャラリー






コメント
コメントの使い方