東京23区内の最長距離路線である都営バスの王78系統の記事では約60分のプチトリップを堪能した。今回は東京都内最長距離路線である都営バス「梅70」系統に乗車したのでレポートする。
ただし中間地には一切寄らず、純粋に乗りバスだけを楽しむためにバスファンではない、一般読者の方には少々の苦行に思われるかもしれないが、そういう気軽なバス旅の気分転換もあると理解していただけたら幸いである。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
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以前よりも短縮されたが今も都内最長距離の梅70
都営バス梅70系統は東京都小平市の西武新宿線・花小金井駅(停留所名は花小金井駅北口)から青梅車庫まで約29㎞を2時間弱かけて走る東京都内で最長距離の路線バスだ。
少し前までは同じ西武新宿線で2駅新宿寄りの西武柳沢駅から出ていたが、路線が短縮され現在の形になっている。もっと昔は23区内まで乗り入れていた時代もあり、徐々に路線は短くなってはいるものの、依然として都内最長距離路線バスの座を守り続けている。
地下鉄+梅70片道で元が取れてしまう都営まるごときっぷ
今回のバス旅に使用したのは「都営まるごときっぷ」で、前年度に記者が務めた都営交通モニターで進呈された優待券の、有効期限最終日に乗車した。このきっぷは都営交通全線が1日乗り放題なので梅70系統にも使用できる。発売額は700円だが、地下鉄と合わせて片道で十分元が取れるので、利用価値は高い。
23区内に在住していれば花小金井駅まで都営交通だけで行くことは不可能なので、どうしても途中に西武鉄道が入り、その分は運賃を別に払う必要がある。
記者は都営地下鉄沿線に住んでいるので、同きっぷ使用して都営新宿線・都営大江戸線を乗り継いで中井まで行き、そこから西武新宿線に乗り換えて花小金井駅に到着した。
もう少し都営交通のみで実行したければ、王78系統で野方駅を利用して西武線の乗車距離を短くすることはできる。ちなみに梅70は多摩地区の路線に分類されるために、23区内で500円で発売されている210円の均一区間に乗り放題の都営バス1日乗車券では乗車できない。