今回の乗りバスシリーズは西鉄バス北九州の伝統路線「香月快速」。北九州市八幡西区の南部と小倉北区の市街地を直結する伝統の路線だ。都市高速道路を経由する路線バスが圧倒的に多い西鉄だが福岡市内ほど多くないものの、北九州市内でも運転されている。そのうち、最も歴史が長いのが本稿でレポートする通称「香月快速」だ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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【画像ギャラリー】西鉄バス北九州の都市高速伝統路線「香月快速」乗りバスレポート
伝統の香月快速は発着地を変えても健在!
かつては筑豊電鉄・筑豊香月駅にある「筑鉄香月」停留所発着だったので昔から「香月快速」と親しまれていたが、現在では筑鉄香月発着を都市高速経由150番に譲り、「星ケ丘五丁目」発着になっている。
しかし小倉側の経路は昔のまま変わらない。昔は標準床トップドア車が1日中往復していて、香月快速専用のポケット時刻表が西鉄から配布されていたほどだ。
現在では本数は激減し平日は朝の小倉方面行き、夕方の星ケ丘五丁目行きのみを残し通勤・通学の足として、土休日は午前中の小倉方面行きと夕方の星ケ丘五丁目行きで買い物やレジャーの足として残る。星ケ丘五丁目は近年開発された八幡西区最南部の住宅地で、数分歩けば直方市になる鉄道空白地だ。
車両もトップドア車から一般の路線車になり昔を知る層にはさみしい気持ちもあるが、伝統の路線には変わりがなく現在でも「香月快速」と通称される。担当は香月営業所だ。
上り「小倉・砂津」行きに乗車!
今回の乗りバスは上りを下上津役(しもこうじゃく)から乗車し、下りをかつての担当営業所であった小嶺営業所、現在の小嶺車庫まで往復乗車した。北九州都市高速道路4号線のうち、黒崎-紫川間10.9キロメートルを走行する。都市高速道路を走行する距離としては長い方だ。
星ケ丘五丁目を出発すると馬場山を経由して国道211号線を黒崎方向に走る。以前は快速の名の通りキビキビ通過していたのだが、現在では八幡西区側で通過する停留所はほとんどなく、ほぼ各停状態だ。
国道200号線と北九州都市高速道路4号線が交わる「黒崎インター引野口」停留所は、新宿行き「はかた号」も停車する高速バス乗り場に停車する。
引野口から小倉方面へは福岡からの高速バス「ひきの号」「いとうづ号」も利用できるが、ひきの号は早いが本数が激減し朝ラッシュ時のみの運転で、いとうづ号は高速バスにもかかわらず香月快速よりも手前で都市高速を降りて一般道を走るために快速よりも時間がかかる。