自動車や鉄道車両にも顔があるように、バスにもメーカーや車種独特の顔がある。普段、何気なく乗車しているバスの顔で何が分かるのか。そんな話題をお届けしよう。画像ギャラリーには多くの新旧バスの「顔」を収録したので眺めていただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】組み合わせは自由?だったバスの「顔」特集!(28枚)画像ギャラリーシャシーメーカーとは?
バスはエンジンや骨組み(シャシー)と車体そのもの(ボディー)は違う会社が製造することがほとんどだ。最近は長い不況のあおりや海外との競争力や資本提携の強化等の理由で、特にボディーメーカーが集約されつつある。
最近までシャシーメーカーは国内に4社あった。三菱ふそう・日野自動車・いすゞ自動車・日産ディーゼル(現・UDトラックス)だ。そのうち日産ディーゼルはバス製造から撤退してしまったので新車で登場することはもうない。
ゆえに現在、国内メーカーは3社ということになる。もちろんバスの寿命は乗用車よりも長いので日産ディーゼル車も多く走ってはいる。
顔を作るのはボディーメーカー
一方で、ボディーメーカーはもっと減ってしまい、現在では特別な改造を手掛けたり、特装車と呼ばれる特殊な車両を製造するほかは、三菱ふそう系の三菱ふそうバス製造、日野自動車といすゞ自動車が共同で製造するジェイ・バスの2社だけだ。
以前は多くの車体メーカーがあり、同じシャシーメーカーでも車体メーカーによりまったく違う姿や、違うメーカーのバスでも車体メーカーが同じだとパッと見は同じバスというように、見分けるのにそれなりの知識とコツが必要だった。
バスマニアは細かい外観や事業者等で見分けていたが、現在では以前ほど多様ではなくなった。それを見分けてどうするんだ? と指摘されると趣味の世界なのでごめんなさいとしか言いようがない。
しかし普段バス停で待っていて、やってきたバスがどこのメーカーなのかが分かれば、ほんの少しは楽しいだろうし、あわよくばバスファンになっていただけるかもしれないという本誌のよこしまな考えでもある。
エンブレムが手っ取り早い
マニアの方には叱られるかもしれないが、最も簡単に見分けられるポイントは顔についているシャシーメーカーのエンブレムだろうか。FUSOやHINOあるいはISUZUと書いてあればそのままなので判断ができる。
マニアの方はシャシーメーカーだけではなく型式や製造年代まで研究の範疇に入るのだろうが本稿ではそこまでは言及しないのでご勘弁いただきたい。
観光バスや高速バスのようなハイデッカー(車高が高く客室位置も高いバス)トップドア車(前にしか乗降用ドアがないバス)の場合はシャシーメーカーエンブレムのほかに、車種シリーズエンブレムが前面や側面に貼られている場合があるのでそちらでも判断ができる。