今回の乗りバスレポートは京成バスの「新小71」系統。JR新小岩駅と都営新宿線の瑞江駅を結ぶ路線だ。新小岩駅から乗車の場合は降車地によっては申告が必要であり、常に混雑している感のある路線だ。これを新小岩駅から乗車し、レポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】京成バス「新小71」系統は常に混雑も納得!(9枚)画像ギャラリー均一運賃なのに申告制?
本路線は全線が特別区内なので運賃は均一制で京成バスは220円だ。ただしJR新小岩駅から乗車する場合は降車地により申告制で運賃が210円になる。
これは、新小岩駅から途中の松本弁天までは都営バスとの重複区間なので運賃の安い都営バスに合わせるための措置だ。よって松本弁天以遠まで乗車する場合は申告は不要で220円を支払えばよい。
日中でも15分毎の高頻度運転
新小岩駅は総武快速線も停車する付近では比較的大きな駅で、江戸川区役所には最寄り駅だ。しかし駅の所在地は葛飾区なので新小岩駅を出発してしばらくは葛飾区内を走り、以降はすべて江戸川区だ。
この路線は新小岩駅からは概ね15分ごとに出発する。そして1本おきに瑞江駅行きと、江戸川スポーツランド行きが交互に出発する。江戸川スポーツランドは京成バス江戸川営業所がある場所なので、瑞江駅まで行く便は30分に1本ということになる。
もっともどちらの行き先でも都営新宿線の篠崎駅は通るのでさほどの不便はないし、通して乗車する需要も多くはない。
曜日や時間帯にもよるが、両端が鉄道駅とはいえ鉄道空白地帯を走るので新小岩から乗車しても立席が出る便が多い。全線乗車で概ね45分程度だが、それだけ沿線住民の重要な足になっているということだろう。
しばらくは道幅の狭い駅前商店街を走り、鹿骨街道に出ると江戸川区に入る。都営バスとの重複区間である松本弁天を出ると中川を渡り、篠崎駅を目指す。完全に鉄道空白地帯なのでバスだけが頼りの地域である。
平日の23時台には双方向に深夜バスも走る
最終電車が比較的遅いJR線を考慮して、新小71系統は平日の23時台に深夜バスが新小岩駅発で2本、瑞江駅発が1本運転されている。運賃は倍額だが乗車率は高い。
篠崎駅までに新小岩からの乗客の大半は下車してしまうが、今度は都営新宿線を利用する乗客が入れ替わりに乗車するので乗車率は常に高い。篠崎駅に到着するとまた大半の乗客が入れ替わり、今度は瑞江駅に向けて出発する。
ここからはJR小岩駅からの「小72」と重複路線なので便数が格段に増え、乗車チャンスが多いことから前のバスとの間隔が短いと乗車は少なく、間隔が開くと満員御礼になることもある。
篠崎駅を通るのは少し遠まわりなのだが、やはり鉄道駅への接続は利便性の観点からは正解なのだろう。江戸川の土手沿いを走り、ポニーとふれ合うことができる江戸川区立ポニーランドや京成バス江戸川営業所がある江戸川スポーツランド付近を経由して住宅地を走り、終点の瑞江駅に到着する。
土地勘がないとどこを走っているのかわからない新小71系統は、きめ細かい停車で沿線住民を鉄道駅に連絡させる重要な江戸川区の足のひとつだった。
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