今回の乗りバスレポートは関東バスだ。首都圏では西日本車体工業製の車両割合が比較的多い事業者だが、果たして狙いの西工に乗ることはできるのか? 宿08系統を乗りバスレポートする。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
バスはエンジンとボディは別会社
乗用車であればエンジンもボディも内装も、メーカーオプションを含めてすべて自動車メーカーで組み立てて仕上げる。ところがバスの場合はエンジンと運転操作系、骨組みだけを自動車メーカーが製造する。総じてシャシーメーカーと言ったりもする。
シャシーに乗せる車体や内装はボディーメーカーが製造する。これもコーチビルダーと言ったりもする。もちろん自動車メーカー純正のボディーが基本だが、以前は多くのコーチビルダーが事業者の要求に応えてさまざまな特徴のある車体を製造していた。
シャシーメーカー直系ではないコーチビルダーには重工業系メーカーとして富士重工、川崎重工等があった。また事業者系メーカーとして西日本車体工業が存在した。
いずれのコーチビルダーもメーカー純正指定を受けたこともあるが、シャシーメーカーそのものがバス製造から撤退したり、不況のあおりを受けてコーチビルダーが車体製造から撤退したりして現在では一般的なバス車体を増産するコーチビルダーは純正系以外は日本には存在しない。
西日本車体工業(略して西工)は福岡の西日本鉄道(西鉄)系列のコーチビルダーとして西鉄バスはもちろんのこと、西日本を中心に全国のバス事業者に供給していた。首都圏でも関東バスや都営バスにはまだ相当数の同社製車体を身に着けたバスが存在する。
新宿駅西口から乗車!
関東バスの宿08系統は新宿駅西口から小滝橋を経由して中野駅に至る6km弱を約35分で走る路線だ。同区間には同じく関東バスの宿05系統や京王バスの便もあるが、経路が異なるため別の機会に紹介する。
やってきたバスは、いすゞエルガの純正ボディー。現在はいすゞ自動車と日野自動車は共同でJ-BUSというボディメーカーを設立して純正ボディーとしている。したがってこのバスは 「いすゞ・ジェイバス」の純正エルガということになる。