乗りバスシリーズ、今回は都営バスと京王バスの共同運行路線である「渋66」系統だ。この路線は、渋谷駅と中央線の阿佐ヶ谷駅を結ぶ路線で始終点が鉄道駅に接続する全線東京都区部を通る都市型路線である。
路線のほとんどが4車線上の広い道路を走るが、渋谷駅周辺のみが非常に狭い道路を通過し、往復で経路が違う面白い路線だ。
なお2021年11月28日から渋谷駅前ののりばが変更になる旨のアナウンスがされているので、そちらも合わせて詳報する。路線系統図は画像ギャラリーに収録した。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
井の頭通りはホコ天ではありません!
今回の乗りバスは往復とも京王バスの便に乗車した。理由は都営よりも便数が多いので、たまたまそうなっただけだ。さて、本路線はIC1日乗車券も利用できるが発行された事業者便のみで有効なために注意が必要だ。
渋谷駅前の41番のりばはマークシティと渋谷駅の間にある横断歩道の中間地に乗降ホームがある、いわば中州からの乗車だ。
発車した渋66は、スクランブル交差点を抜けた後すぐに左折し井の頭通りに入る。ここから宇田川町までが狭隘路で歩行者の多い区間だ。日中から夜までは歩行者天国ではないものの、歩道・車道を問わず人が多く歩いていてバスが近づくと慌ててよける様子がしばしば見受けられる。
西武百貨店前を出ると宇田川町、放送センター西口に停車し富ヶ谷に至る。阿佐ヶ谷駅前発のバスはこの富ヶ谷から別ルートを通って渋谷駅方面に走る。往復とも狭く歩行者が多い道路だが一方通行のために別ルートになっている。よって西武百貨店前・宇田川町・放送センター西口バス停は阿佐ヶ谷駅前行きのみ乗降できる。
京王新線・丸ノ内線をトレース!
ここからは山手通りを甲州街道まで北上する。非常に広い道路だが甲州街道を西に曲がる過程でしばしば渋滞が発生する。甲州街道に入れば京王新線の上を走るので、初台、幡ヶ谷、笹塚と鉄道をトレースする。
甲州街道は上に首都高速、地下に京王新線が走る大動脈で広く立体交差もあるが時間帯によりやはり渋滞は避けられない。京王新線で停車するのは笹塚までだが、その少し先の代田橋手前で針路を北に変え環七通りに入る。
環七通りも広い道路で、快調に走る。東京メトロ丸ノ内線の支線の終点である方南町駅に方南八幡通り停留所で接続した後、高円寺陸橋下交差点を西に曲がり青梅街道に入る。同時に東京メトロ丸ノ内線をトレースする。
すぐに青梅街道沿いの杉並車庫前に停車する。ここは都営バスの小滝橋営業所杉並支所の前でもちろん京王バスも停車する。その後、「新高円寺」「杉並区役所前」(南阿佐ヶ谷駅)で丸の内線と接続して中杉通りを北上、終点の阿佐ヶ谷駅前に到着する。
渋66系統は阿佐ヶ谷駅の南口に発着するが、北口にもバスターミナルがありこちらは関東バス等が発着する。渋谷駅前よりもこちらの方が若干スペースに余裕があるので、京王バスと都営バスが到着便や先発、次発と複数台並ぶ光景も目にする。