首都圏から気軽に行ける観光地として人気の高い鎌倉。横須賀線に乗れば千葉県から乗り換えなし、かつ新幹線をはじめ各線とも接続が良い。外国人にも日本らしい文化や風景を享受できるので人気だ。しかし現地での交通混雑も激しいという。そこで江ノ電と路線バスを乗り比べてみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■鎌倉に降り立つ
鶴岡八幡宮は以前から関東地方では初詣のお参り先としてかなりの参拝者が多いことで知られる。1位は文句なしの明治神宮だが、鶴岡八幡宮は仏閣を含めても常に10位以内にランクインする。
鶴岡八幡宮の交通は駅から参道を徒歩で進むのが基本だが、脇道はお土産店や飲食店が連なりショッピングをしながら進む観光客も多い。しかし鎌倉を観光するにあたり、注意を要することがある。鎌倉市条例31号「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」だ。
すべて努力義務で罰則もないが、「土地所有者、管理者その他の許可の権限を有する者の許可無く行う次に掲げる行為として、車道において立ち止まる等車両の通行の妨げになるような方法で撮影を行うこと。線路の周辺等危険な場所で撮影を行うことを禁止している」ので、撮り鉄、撮りバスには注意する必要がある。要はマナーの問題だ。
そして迷惑行為として「狭あいな場所又は混雑した場所で、歩行しながら飲食を行う等他者の衣類を汚損するおそれのある行為をすること」を禁止している。要は参道わきの飲食店が並ぶ狭い通りで買い食い、食べ歩きをしてはいけないことになっている。
とはいえ、条例周知の看板も取り締まりもないので、ほとんどの観光客が知る由もなく食べ歩きを楽しんでいるのが実情のようだった。
■旗上弁財天社
鶴岡八幡宮は八幡様なので応神天皇を主祭神とする八幡神社のグループに属する。鎌倉時代の幕府が置かれた地なので、どうしても時代背景で仏閣が多いのだが、その中で鶴岡八幡宮だけは現在でも有数の巨大神社である。
参道から入ると右手に旗上弁財天社という境内社がある。北条雅子が建立したとされ、弁財天は仏教の守護神だが宗像三女神と同一視されており、神仏分離の後に宗像三女神を主祭神として祀っている。当社には独立した社務所があるので、授与品や御朱印は当地で受ける。
■鶴岡八幡宮
参道に戻り、社殿付近まで進み階段を上ると拝殿が現れる。神額の八幡宮の「八」の文字は八幡様の神使であるハトが向かい合った絵文字になっているのは有名だ。楼門付近にも拝殿左側にも授与所があるが、御朱印は下の祈祷受付場所に専用の窓口があり、そこで受けることができる。
鶴岡八幡宮の参道は路線バスの他に、各地からやってきた観光バスがキャラバンを組んで走っており、参道中央の歩道に立って見ていればいくらでも見バスを楽しむことができる。
■江ノ電か江ノ電バスか?
鎌倉駅に戻り、次に向かったのは御霊神社だ。有名な江ノ電撮影スポットでもあり、参道専用の踏切がある。路線バスのバス停と江ノ電の駅がほぼ等距離なので、どちらで行った方がよいのか検証してみた。往路に路線バス、復路に江ノ電を選択した。
鎌倉駅前は東口にバスターミナルがあり、鶴岡八幡宮の参道もこちら側だ。江ノ電は西口なので横須賀線をくぐっていかなければならないので、往路はバスとした。1番のりばから江ノ電バスに乗り込むが、平日の昼間でも概ね10分から20分ヘッドで出ている。
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