筑豊電気鉄道と平成筑豊鉄道は、『へいちくてつフリーきっぷ』について現行の紙券を廃止し、2025年1月31日(金)よりデジタル乗車券での販売へ移行した。ローカル鉄道のコラボ乗車券だが、物理的な駅間距離の関係で使いにくいとの声も。そこでバス利用で有効に旅をしたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■乗車券デジタル化でスマホがきっぷに!
デジタル乗車券は、「九州MaaS」のプラットフォームであるスマホアプリ「my route」で発売される。スマホがきっぷとなり、どこでもフリー乗車券を購入できるため、利便性が向上する。
筑豊電気鉄道・平成筑豊鉄道沿線には、気軽に立ち寄れる源じいの森温泉(最寄り駅「源じいの森駅」)や石炭記念館・直方谷尾美術館などレトロ建築が残る直方(最寄り駅「直方駅」「筑豊直方駅」)、長崎街道の筑前六宿の一つであった木屋瀬宿(最寄り駅「木屋瀬駅」)などといった魅力的な施設が多数ある。
ふたつの鉄道で旅をするという楽しみはあるが、結節点である直方の物理的な距離が障壁になっている感は否めない。そこで両鉄道の2駅をバスで移動する(別運賃)ことで解決できそうだ。
■筑豊電気鉄道
筑豊電鉄は黒崎駅前駅から筑豊直方駅までを結ぶ16.0キロメートルの鉄道で、全線複線直流600ボルト電化で標準軌の西鉄の子会社である。かつては西鉄北九州線と相互乗り入れをしていた関係から路面電車タイプの車両が今でも走る。
西鉄がかつて北九州市から福岡市までを筑豊経由で結ぼうと計画したのが始まりだったが、現在の筑豊直方駅まで開業して以降は延伸を断念し免許も失効している。
その関係で筑豊直方駅は高架で延伸が考慮された造りになっているが終端駅のままである。北九州市八幡西区、中間市、直方市を結ぶ重要な地域の足として現在に至る。かつて計画したルートは概ねJR九州が筑豊本線・篠栗線を電化し一体運行している。
■平成筑豊鉄道
平成筑豊鉄道は国鉄の廃止対象路線であった伊田線・糸田線・田川線をJR九州から引き継いだ第三セクターの鉄道で、伊田線の16.1キロメートルが複線であるほかは単線・非電化で狭軌のいわゆる炭鉱ローカル線の名残である。
しかし沿線を走るバス路線も廃止が相次いでいることから、地域では市街地に出る重要な足でもあり、様々な施策を行いながら頑張っている三セクである。
■2ルートを持っておくと選択肢が広がる!
これら2社の鉄道は物理的に駅が離れていて線路がつながっていないのだが、そもそも軌間も動力方式も異なるため直接の接点はない。筑豊電鉄の筑豊直方駅はJRと平成筑豊鉄道が乗り入れる直方駅とは離れていて、徒歩でも連絡できないわけではないが、気軽に乗り継ぐと言える距離でもない。かといってバスが頻発しているわけでもなく毎時1-2本と連絡は悪い。
そこでもう一つのルートを選択肢に持っておくと、時間帯によりダイヤを見てどちらでも使えるので使い勝手が良くなることがわかる。
■感田駅乗り換え!
平成筑豊鉄道の乗降駅は直方駅で変わらないが、筑豊電鉄の乗降駅としてもう一つ考えられるのが、終点の筑豊直方駅の一つ手前の感田(がんだ)駅である。
駅至近の感田電停バス停には一般の路線バスと、イオンモール直方からくるシャトルバスも利用できる。運賃は170円でシャトルバスの方が停車停留所は少ないが、どちらも近いので概ね10分くらいで直方に到着する。
ちなみに筑豊直方駅からは筑鉄直方バス停から直方までも運賃は170円で、所要時間は6分ほどだ。いずれも西鉄バス筑豊が運行する。
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