開催中の大阪・関西万博は、会期も残り半分を切り連日多くの来場者で盛り上がっている。そしてそれとともに夏の暑さもヒートアップしている。会場内には日影の設備や給水器などが設置されているが、実は会場内に休憩用のバスが置かれているのはご存知だろうか。今回はその休憩所についてお届けしたい。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■ヒョンデのEV路線バス休憩所
最初はHyundai(ヒョンデ)の休憩所である。場所は大屋根リング内のセービングゾーン、オランダパビリオンの隣である。そこに向かうと白のボディに鮮やかなカラーリングを施した車両が置かれている。これがHyundai(ヒョンデ)ELEC CITY TOWN」である。
この車両は休憩用ラウンジに改装した「Green Park Bus」と呼ばれている。今回大阪・関西万博用に「ELEC CITY TOWN」3台が提供されそのうち2台は会場で働くスタッフの会場内移動のために早朝および夜間を中心に運行されている。残り1台はラウンジ仕様にカスタマイズされ会場内に設置されている。
緑の公園(Green Park)というテーマに基づき、木目調と芝生を基調にした内装となっており手すりやドア、窓はあるものの座席部分は芝生が張られており、自然の丘に腰掛けているような雰囲気が味わえるという。上部にも草木の装飾があり緑も多く目に入るようになっている。
さらに車両に搭載されたバッテリーから電力が供給できるので、壁面のUSB端子からスマートフォンなどの充電が可能だ。筆者が見た日も暑い日であったが、車内は涼しくてとても居心地がよかった。運転席には帽子が置いてあり希望すればバス運転席での記念撮影も可能だ。
車両は日本のバス車体規格ガイドラインに準拠し製作された車両となっており、諸元によれば全長は約9mで中型クラス、乗車定員は運転手を含め55名、またリチウムイオンバッテリーを搭載し、フル充電で約200km走行が可能だという。
車内に取り付けられたスイッチ類、コーションプレー等も日本語で書かれているなど日本向けというのをアピールしている。国内では屋久島に導入されており路線バスとして活躍している。
■エルガEVの休憩所
続けてもう1台の休憩所だ。場所は同じく大屋根リング内のエンパワーリングゾーン、毎日ミャクミャクに会えるという建物「ミャクミャクハウス」の隣である。ここには6月16日よりバスが休憩所として置かれている。
車両はシャトルバスとしても使用されているいすゞエルガEVである。前述のの休憩所については常時利用可能ということだったが、こちらは9時~21時なので頭に留めておいていただきたい。
外観、車内もこちらは特別な装飾などはなく、桜島駅やパーク&ライドで乗車してきたバスと同じである。いすゞエルガEVは「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で世界初公開されたバッテリーEV(BEV)路線バスで、昨年からショートホイールベース・都市型モデルが先行デビューした。
リチウムイオンバッテリーを採用し、屋根上と車体後部の床下に配置したことでフロアレイアウトの自由度が高まり、車内前部の乗降口から最後部座席まで段差を設けず国内初となる車内フロアのフルフラット化を実現した。
それにより乗客の利便性および安全性も向上し低騒音・低振動と車内の快適性も同じく向上している。全長は10.5mの大型で乗車定員は70人である。
一度の充電で360kmを走行でき、従来のディーゼルエンジンモデル「エルガ」と同等の動力性能を確保しながら、路線バスで使用される航続距離をカバーしている。
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