絵を描いてくれる生成AIにも種類が割とあるようで、有名な「ChatGPT」にもその機能が付いている。ではChatGPTにバスのイラストを描かせたら、はてさてどんな力作を寄越してくるだろうか?
文:中山修一
イラスト生成:ChatGPTさん
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、ChatGPTさんが多分したり顔で描いてくれたバスのイラスト作例集があります)
■少々ややこしいイラスト依頼
過去に3回ほど『バスマガジンWeb』上でAIにバスのイラストを描かせたことがあり、その際使用したのはAdobe社が提供している「Firefly」と呼ばれるAI。
今回は、以前バスの写真を食わせて車種鑑定をさせたところ、どれもこれも大変ステキな大ボラを吹いてくださったChatGPTさんに替えて、以前と大体同じテーマでイラスト制作をお願いしてみる算段だ。
ただし、ChatGPTとFireflyとでは、頼み方に違いがある。Fireflyの場合、イラスト専業のAIということもあるのか、単に「バス」とだけ書けば何かしらの絵が生成される。
それに対してChatGPTはマルチユースのため、ひと単語だけでは何をすべきなのか理解してくれず、向こうから色々と質問してくる。
さらに、例えば「バスの絵を写実的なタッチで描いてください」とお願いしても、まだ材料が不足しているようで、文字表現で良いから設計図をくれ、みたいな回答が来てちっとも手を動かしてくれない。
AIって「オレがこうしたらアレだろ」くらいの曖昧さで、それなりの結果を出してくれるのが、人間様の暮らしをより豊かなものへと導いてくれる本来あるべき姿、と思うけどねぇ〜。
■国産車ならワタシにお任せ(?)
その後「画像生成で、バスの種類は路線バス」、「東京でよく見かける都営バスのような雰囲気、左斜め前からのアングル」と投げ返したところ、ようやくAIさんがカンバスに向かった。
AIが生成したイラストは、テーマに関係なく茶色系のフィルターをかけたような、どことなく薄気味悪さを持った色合いになる傾向が強く、今回頼んだバスイラストも全部そうなった。
こうして出てきた1枚は、なんとなく新橋周辺にありそうな雑居ビル群を背景に左側の車線を走る、白と緑のツートンにオレンジのラインが入った、1カ所だけドアのある路線バス(トップドア車)のイラストだった。
車体前面おでこの行先表示に「都営バス」と表示されているのと、前面にTOEI BUSの文字とトゲのないジオン軍みたいなロゴ、側面にイチョウマークを入れることで、都営バスらしさを出したつもりらしい。
Adobe Fireflyに路線バスを描かせるとバス車両が外車系になる一方、ChatGPTの場合はそこそこ日本車風で、ちょうど角目2灯ヘッドライトの「日野ブルーリボンII」と似ている。
「パッと見る分には」の注釈を付ける必要性が高そうながらも、ニッポンの路線バスのディテールは一通り押さえてある印象。
■ChatGPT式★渋谷のバス
続いて、「渋谷のスクランブル交差点を横切る路線バスのイラストを、写実的なタッチで画像生成してください」と投げてみた。
3分くらい待って現れたのが、「TSUTAYA」のサインを掲げたガラス張りのビルと、ロクシタンの入っている黄色いビルらしき建物を背景に、奇妙に交差した歩行者横断用ゼブラの真上を通過中の大型路線車を描いた一作だった。
バスの車体は薄いクリーム色と緑、オレンジ色に塗り分けた、色自体は都営バスと同じながらも全然違うカラーリング。
前にグライドスライドドア、中間に引き戸の付いた2扉車で、中扉が全面ガラス張りになっているのが特徴。運転席側のサイドミラーは取れてなくなっている。
前面に“Route Bus”の表記が入っていて路線バスを強調。行先表示には「フンステリツハス」のような文字が見られ、どうやらノンステップバスと見られるが、車内に目をやるとステップが3段くらいある。
このバスもまた顔つきは角目2灯ライトで、実在する車種ではやはりブリーリボンIIが最も近いように思える。
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