広島駅の中を路面電車が走る!? 広島電鉄の新しい広島駅電停開業の当日レポート

広島駅の中を路面電車が走る!? 広島電鉄の新しい広島駅電停開業の当日レポート

 8月3日、広島県広島市にある広島駅に路面電車の新駅が開業した。以前より建設が行われていてとても大きな話題となった。新しく生まれ変わった姿を筆者も見てきたので、今回はバスとは直接関係ないがその様子について、最終日である開業前日と初日である開業当日の様子を2回に分けてお届けする。本稿は開業当日の模様だ。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■開業セレモニー

多くのギャラリーと報道関係者に囲まれてセレモニーが行われた
多くのギャラリーと報道関係者に囲まれてセレモニーが行われた

 新しい広島電鉄の広島駅電停の開業当日に、筆者は再び広島駅にやってきた。前日の模様は別稿でレポートしているので関連記事からご覧いただきたい。時刻は5時20分ですっかり辺りは明るくなってきた。いよいよ駅前大橋ルートの開業日である。新しい広島駅電停前でセレモニーが行われるということで取材した。

新線の開業を示す方向幕が掲げられた!
新線の開業を示す方向幕が掲げられた!

 主催者の挨拶、テープカットのあと、当電停始発となる運転士へ花束の贈呈などが行われた。そして6時1分に1号線、紙屋町市役所経由広島港行きが満員の乗客を乗せて出発した。早朝にも関わらずホームの周りには多くの人とメディア、そして横断幕を持った関係者が取り囲み、記念すべき最初の日のセレモニーに華を添えた。

始発の広島港行き
始発の広島港行き

 その後も次々と路面電車が出発していくが、やはりどのホームも記念に乗車する人が多く混雑していたため、遅れも生じるなど初日ならではの賑わいもみせた。筆者は開業した駅前大橋ルートに乗車すべく比治山下方面に向かう電車に乗り込んだ。

出発時刻表はデジタル化され見やすくなった
出発時刻表はデジタル化され見やすくなった

 次の稲荷町電停は駅前大通りに新しいホームが設置され、向かい側の歩道には開業をお祝いする横断幕を持った人たちがうちわを振って出迎えるする様子も見られた。

両渡りの分岐が迫力満点の広島駅電停
両渡りの分岐が迫力満点の広島駅電停

■駅からくる正面では…

出発も到着も大混雑の中で新線開業を迎えた
出発も到着も大混雑の中で新線開業を迎えた

 比治山下電停で下車した筆者は、新線となった区間の横を広島駅に戻る方向に歩いていくことにした。この区間には駅前通りに折れる交差点に松川町という新しい電停が設置された。元々このエリアには路面電車の停留場はなく、バス路線も通ってはいるが停留所はなかった。

始発から20分足らずで遅延が発生するほどの大混雑だった
始発から20分足らずで遅延が発生するほどの大混雑だった

 稲荷町の電停まで向かう必要があったため、かなり利便性が上がったものと思われる。比治山下電停から歩いて15分ほどで稲荷町電停が見えてきた。正面には広島駅が見えるロケーションで、駅から来た路面電車を正面に捉えることができる。向かって来るのが比治山下・広島港に向かう5号線、曲がって紙屋町方面に向かうのが1、2、6号線ということになる。

行先と路線が容易に確認できる社内の案内表示
行先と路線が容易に確認できる社内の案内表示

 交差点の右側には昨日まで使用されていた旧広島駅方面からの稲荷町電停のホームと、奥には的場町電停が見える。ちなみに路面電車は走っていないが廃線となったわけではない。ここから紙屋町、広電本社前、皆実町6丁目、比治山下と経由して再び的場町に戻ってくる循環ルートの一部となる。

沿線では早朝から市民が横断幕を持って新線の開業を祝った
沿線では早朝から市民が横断幕を持って新線の開業を祝った

 それらの工事はこれから進められ、来年春には開業の予定だ。広島駅に立ち寄らないルートだが市内を巡るルートとして観光や市民の足として利用しやすい路線になることが期待される。

午後にはポイント故障で遅延したが新線でいきなり非常時対応を試された形だ
午後にはポイント故障で遅延したが新線でいきなり非常時対応を試された形だ

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