5月の記事で周回遅れだが、毎年9月20日は「バスの日」である。これは明治36年(1903年)9月20日京都市において日本で初めてバス運行を行ったことに由来するもので、1987年に日本バス協会が定めたものである。この時期には全国各地でバスに関連したイベントが開催されるが、2024年の年末に開催された「ひろしまバスまつり」の模様を詳細にレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■2024年は年末に開催!
広島市は中国地方最大の都市で、広島駅は現在リニューアル工事が行われている。3月には駅ビル「minamoa」とホテルなどが開業し、さらに夏には広島電鉄の路面電車が直接乗り入れを開始する予定だ。一気に街の風景を変える巨大なプロジェクトが進行している。
西区にある広島市中小企業会館が昨年行われた「ひろしまバスまつり」の会場だ。「ひろしまバスまつり」は広島県バス協会が主催のバスイベントで、広島県内のバス会社が集まりバスの展示や試乗会などが行われた。
コロナ過を経て2023年に5年ぶりに開催し、2024年は12月1日に開催された。朝早くから多くの来場者で賑わい、筆者が着いた時間には入場を待つ長い列ができていた。
■EVバスに試乗
開場時間になり、受付で記念品やスタンプラリーのシートなどを受け取ると、それぞれお目当てのブースやグッズ売り場へ駆け出す姿が見られた。まずは屋外の展示から見ていくこととしよう。今回は広島県のバス事業者など12社から16台のバスが展示され、ずらっと並んだ光景は圧巻だ。
路線バスから高速バスや夜行仕様、そして最近導入されたEVバスもあり見所も多いようだ。まず最初に向かったのは展示エリアの奥に設けられたテント。ここではEVバスの試乗会が行われるので乗車整理券をもらうためだ。まだ余裕があるようなので筆者も整理券を受け取り、乗車列に並んだ。試乗会では3台のバスが用意され会場の周辺を走行する。
それぞれルートが違うので、どこにするか悩むところだが広島バスが担当する廿日市方面ルートを選択。案内によれば約5.0kmを約20分で周回する。乗車時間が早いものを選択したこともあり、待機列でバスの準備ができるまで待つことにした。
整理券とはいえしっかりとチケットのデザインとなっていて、日付や時刻や乗車するバスの名前、裏面にはバスの説明や簡単な諸元も書かれていてしっかりしている。記念チケットとしてもよい。
■EVバスで出発!
所定の時刻になると係員の案内で敷地外の歩道に案内される。既にバスが停車しておりチケットを見せ、お気に入りの座席を探して着席した。前方にはバス会社の社員が立ち出発した。このバスは2024年春に広島バスが初めて導入したEVモーターズ・ジャパンのF8 series2-City Busである。吉島営業所所属で、充電スタンドが併設されているとのこと。
フル充電で約200km走行することが可能だ。現在は24号線(吉島線)、広島市内を巡回する「エキまちループ」線で運用されている。会場を半周すると西へ向かう。側道から広島南道路へ入り、しばらくは直線コースを走行する。通常は路線バスとして運転しているので各バス停で停車する必要があるのでそれほど速度を上げることはないが、今回は試乗で決まったルートを走るのでしっかりとした速度で走行するバスを体験することができた。
電気バスというだけありエンジンではなくモーター音が響く中、力強く走行するところや、それでいて会話ができるほど静かだったのが印象に残った。新八幡川橋を渡った交差点でUターンし、乗車した場所まで戻ってきた。
今回は広島バスで試乗したが、別ルートでは広島電鉄のEVバスも運行されていた。こちらも「エキまちループ」線で乗車することができるので、乗り比べしながらぜひ体験していただきたい。
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