■日野自動車が東京から回送してきた車両!
次は会場に並べられたバスを見ていこう。まず目を引いたのは黄色いバスである。バスなので車体にはいろいろな塗色がるが、このバスにはそういったものが一切ない。その正体は日野自動車、つまりメーカー保有のバスということである。
2017年製のセレガ 2PG-RU1ASDYであり、なんとバスまつりのために東京からはるばる回送してきたという。よってナンバーは八王子ナンバーだ。車内の見学もできたので乗車したが、ハイデッカー仕様で標準的な内装だ。補助席付きで定員は62名となっている。座席のヘッドカバーもないこの光景も通常は見ることができないので貴重といえよう。
■中国ジェイアールバス
続いては中国ジェイアールバスである。こちらは真っ白なボディに「Gran Dream」といくつもの星が金色に輝くカラーリングのバスが展示されていた。いすゞガーラHDのグランドリーム仕様で夜行バス広島~東京線の「グランドリームエクスプレス広島号」に使用されている。
これは2024年11月21日から運行を開始した「グランドリームエクスプレス広島号」のPRも兼ねているものと思われる。広島~東京間を最速10時間40分で結び(東京行きは11時間10分)新幹線の最終列車より遅く出発し、始発より早く着けるダイヤが設定されている。東京でのホテル代が高騰していることを背景になかなか好評だという。
独立3列シートでプライバシーカーテンやコンセントも設置されている。トイレは中央部階下にある。筆者もグランドリームには何度か乗車したことがあるが、昼間に車内を見渡すことはないので座席の並びや設備をよく見学することができた。
■ウィラーが人気絶頂?
長い行列が出来ていたのはWILLER EXPRESSである。今回のバスまつりでは中国ジェイアールバスとWILLER EXPRESSの2社が夜行バスを展示していた。三菱ふそうエアロエース、2TG-MS06GPで「トイレ付リラックスNEW」と呼ばれるタイプの車両だ。車内に入るとまず目に飛び込んでくるのはステップに敷かれたピンクのマット。
しっかりとWILLER EXPRESSと書かれており抜け目ない。各座席にもピンクのラインがあしらわれ、統一感あるデザインを感じる。また座席は頭部を覆うようなカバーがあり、夜行バスならではの悩み“寝顔を人に見られたくない”という利用者の声をもとにWILLER EXPRESSが開発したフード(カノピー)である。昼間に見るとなんとも異様な感じもしてしまうが、実際の運行は夜行で周辺が暗いためそれほど気になることはない。
また先程のJRバス中国のグランドリームと違い4列シートであるが、隣が気にならないように仕切りが取り付けられており安心だ。広島からは東京行きが設定されていて、運賃は比較的安価に設定されている。
■広島らしい備北交通と広島電鉄
広島らしいバスを展示していたのは備北交通と広島電鉄である。広島のスポーツといえばプロ野球の広島東洋カープ、そしてJリーグのチームであるサンフレッチェ広島である。ファンからの熱い応援に支えられてというのは本稿で触れることはしないが、広島市内を歩いていても各所で見かけることができる。
そんな人気も後押ししているのだろうか、バスにもラッピングが施されている。備北交通の高速バスには大きく「Carp」のロゴが、車両後部には備北交通のエリアにあたる自治体である庄原市、三次市の特産物や特長を身につけたカープ坊やが描かれている。
ナンバープレートもカープのオリジナルデザインとこだわりも徹底的だ。車体の両側に記念写真を撮るための列が並び途切れることなく続いていた。あとで車内の装飾などはどうなっているのか確かめたいところだったが、これもまた乗車する人が多くて近づけるような感じではなくあきらめざるをえなかった。
もともとバスの車内は路線バスなら人が行き来するスペースが設けられているが高速バスは立席はないので、見学として人が多く入ってしまうと行き違いが大変だ。 もう1台のサンフレッチェ広島のラッピングバスは路線バスである。
説明によると広島電鉄の西風新都営業所に所属しているようだ。側面にはチームカラーの紫のベースに、大きく「SANFRECCE」という文字と両側にはマスコットのサンチェとフレッチェが描かれておりかなり目立つラッピングとなっている。こちらは路線バスで、扉も大きく開かれていたので車内の様子を見ることができた。
路線バスでヘッドレストカバーとかあるわけでもなく、特に車内に装飾があるわけではなかった。ただシートは高速バスのような独立したシートで、肘置きこそないがやや固めのシートは長時間でも疲れにくいように思えた。
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