昨年末に行われた「ひろしまバスまつり」は大規模で大盛況……ファンは熱い1日を過ごした!!

■ポンチョとレインボーで参戦のエイチ・ディー西広島

ボンバス仕様の日野ポンチョ
ボンバス仕様の日野ポンチョ

 隣に展示されていたのは「Bon-Bus ボン・バス」と車体に書かれたバス。これは広島市西区を中心に路線バスを運行する事業者、エイチ・ディー西広島である。 広電西広島駅のある広島市己斐と近郊を結ぶフィーダーバスで、地域の足として運行されている。

 ちなみにボン・バスという名称はフランス語でやさしさや親切さを表す語=「ボン」ということらしい。音感がよくて覚えやすく、親しみを込めて呼んでもらえるようにと名付けられたのだという。

美術部制作のラッピングバス
美術部制作のラッピングバス

 今回は小型のポンチョと中型のレインボーが2台並べて展示された。どちらも共通デザインで、広島電鉄のシンボルカラーでもあるグリーンの帯が、そして側面には「Bon-Bus ボン・バス」とあり見つけやすいし分かりやすい。また見ていて木になったのは後部のラッピングだろう。

 2台でそれぞれ違うイラストがラッピングされており、広島学院中学校・高校の美術部がデザインしたものだという。氏名までは書かれていないが自分のイラストが街を走る姿というのはうれしいのではないだろうか。ボン・バスは今年で運行25周年とのプレートもバスの横に展示されていた。

 全6路線が運行されており繁華街の紙屋町や八丁堀まで結ぶ路線もあるようだ。地域の足として愛されるよう今後もくまなく走り続けてほしい。

■芸陽バスはスカイレール代替バスを展示

芸陽バスのEV車はオノエンスター製
芸陽バスのEV車はオノエンスター製

 次は路線バスでも新しい技術を備えたバスである。試乗した広島バスの電気バス、EVモーターズ・ジャパンのF8 series2-City Busや広島電鉄のBYD K8などがあるが、芸陽バスの路線バスが展示されていた。

 芸陽バスはクリーム色の車体に明るい赤と青のラインというイメージがあるが、このバスは前面ブルーの車体となっている。2023年度に導入されたEVバス「オノエンスター9.0」で、現在JR瀬野駅北口~みどり坂団地間を運行している。車内も見学可能ということで入ってみたが通常のバスほど空間もあり移動もしやすい。各座席にはUSBポートがあり充電が可能だ。

 またこのバスは外部に電力を供給することが可能で、車両後部のパネルを開けると接続することができ、この日は扇風機が置かれていてデモンストレーションが行われていた。災害時に威力を発揮する。ちなみにJR瀬野駅とみどり坂団地といえば新交通システム「スカイレール」が記憶に新しい。

 構造と運転方式が変わっていて世界唯一の乗り物と言われていたが、2024年4月末で運行を終了した。その代わりに電気バスが運行を始めたのがバスである。傾斜地という団地だったためスカイレールが生まれたと聞いていたが、この電気バスはそんな坂の多い場所をうまく運行しているのか、機会があれば現地で確かめたいところだ。

■広島交通

広島交通のEV車
広島交通のEV車

  屋外の会場では試乗会にバスの展示、バスの乗り方教室やお仕事体験、部品販売にオークション、クイズラリーなど多くのイベントが行われていたが屋内ではステージイベントとして広島県警察音楽隊の演奏や神楽の上演、また広島カープの黒原選手のトークショーに多くの人が集まっていた。そのほかにも各団体のブースやバス会社によるグッズ販売、飲食ブースが並んでいたがここにもバスが展示されていた。

音楽隊による演奏もあった
音楽隊による演奏もあった

 こちらは広島交通の電気バスで2022年11月に中四国地方に初導入されたという。現在は可部エリアを運行する「可部循環線」に使用されている。可部エリアといえば利用者の減少を理由に2003年12月に一旦廃止されたものの、その後13年3カ月の歳月を経て、一部区間が復活するという全国初の路線「JR可部線」があるエリアだ。

バス部品等の即売会
バス部品等の即売会

 そして延伸した終点のあき亀山駅前に安佐市民病院の移転と同時に「可部循環線」の運行が始まっている。当初はこの電気バスが2台投入され、その後大型電気バスが可部千代田線に投入されている。車内は思ったよりも広くポンチョのような広さという感覚だろうか。もちろん室内展示なので動いているところは見ることはできなかったが街中を走る姿も見てみたい。

エンジンルームではなく機器室?
エンジンルームではなく機器室?

 この日は後部のパネルを開けて内部を見学できるようになっていた。通常の車ならエンジンといいたいところだが電気バスなのでモーター等の機器類の展示ということだろう。のんびりと午後のトークショーまで楽しんだあと筆者は会場を後にした。

次ページは : ■大規模バスイベントはもっと多く開催してほしい

最新号

【3月22日発売】巻頭特集は「相鉄バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン128号!!

【3月22日発売】巻頭特集は「相鉄バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン128号!!

バスマガジン Vol.128は3月22日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、相鉄バスを特集。神奈川県の中心部・横浜から県央部のエリアで、鉄道・相鉄線とともに綿密なネットワークを展開する事業者だ。