東海道新幹線が停まる新横浜駅から東京の羽田空港へ向かう場合、駅前発の空港連絡バスを使えば約40分、JR+京急線利用なら50分くらいで行ける。ところが!?
文・写真:中山修一
試した時期:2025年8月
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、新横浜→羽田空港スローアクセスの写真があります)
■夕方に着ければいいです
その日は羽田空港第2ターミナルに用事があった。夕方に着ければ良いくらいの、ざっくりしたスケジュール。そして降り立ったのは東海道新幹線が停まる新横浜駅で、時間を見ればまだ朝の9時半だ。
新横浜→羽田空港なら、通常は駅前バスターミナルから出ている高速道路経由の空港連絡バスか、JR線と京急線を乗り継いでいけば1時間かからないうちに着ける。
しかしこの日の場合、それだと早く着きすぎて、だいぶ時間を持て余してしまいそう。ではどのような方法で短い体感時間をキープしながら夕方まで過ごせば良いか。
移動に時間を費やせば、同じ1時間でも一定の場所に留まっているより早く過ぎるような気がする。時間をかけたいとなれば速度はゆっくりな方が良く、動いている分には静止状態よりも体感時間が短くなるハズ。こんな条件下では、やっぱり高速道路を走らない路線バスがベストな公共交通機関だろう。
羽田空港まで路線バスだけを乗り継いで移動できれば、気付いた頃には陽が傾いている……そんな希望的観測から、路線バスによる超スローな空港アクセスを試してみることにした。
一応最低限のルールを作ることにして、時間を稼ぐために自分が乗りたいバスを故意に何本も見送る行為はNG。乗ったバスの経路の都合で同じところを通る以外は、原則として一筆書きで進むルートに限定した。
■何通りか選べる行き方
行き方を少々吟味すると、路線バスのみ利用でも新横浜駅発なら複数の経路から選べる。さてどれにしようか、最初は特に時間のかかりそうなバスに思えた、相鉄バス「浜1系統」横浜駅西口行きに乗車した。
このバスは新横浜〜横浜駅西口間を、やや遠回りしながら結ぶ生活路線。約12kmの距離を53分ほどかけて走る。9:52発をつかまえて、終点に着いたのが10:45だった。
横浜駅西口に到着後、西口発で羽田空港との関係性をムリヤリ持たせられるバスはなさそうなので、横浜駅を突っ切り、線路を跨いだ東口にある、横浜駅前バスターミナルへ向かった。
■ベイブリッジ渡るしかない
横浜駅前バスターミナルには、鶴見・川崎方面へ向かう横浜市営バス「7系統」が出ている。それに乗っても正解であるが、まだちょっと時間的に早すぎるのと、次のバスまで30分待ち+結構な行列ができていて、他に適当なバスがないかと辺りを見回す。
案内表示に目をやると、横浜市営バス「109系統」がすぐ来る模様。しかもバス停に並んでいるのは3人くらい。109系統は本数がめちゃくちゃ少ないのだが、よくタイミングが合ったもので。
この109系統は循環バスの一種で、ベイブリッジの一般道部分を走行するのが最大の特徴。幸い横浜界隈なら多少のバス勘があるゆえ、たぶん大丈夫だろうと109系統をチョイス。
走行距離が意外と長いのも109系統の見どころ。横浜の観光ベイエリアとベイブリッジを通るため、横浜市営バスの中でも特に景色の良い路線であるせいか、時間を忘れて気付けば50分以上乗っていた。
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