環境デーなごや2025ではトヨタ「SORA」が大活躍! それは20年前の夢が実現したバスだった!!

環境デーなごや2025ではトヨタ「SORA」が大活躍! それは20年前の夢が実現したバスだった!!

 SDGsという用語をご存知だろうか。「持続可能な開発目標」といい、2015年9月25日に国連総会で採択された持続可能な開発のための17の国際目標である。SDGs17とも呼ばれているがSDGsを学びながら環境について親しむイベントが名古屋市で開催されたのでレポートする。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■ささじまライブ

ささしまウェルカムバス
ささしまウェルカムバス

 イベント会場は徒歩でも可能だが、公共交通機関で向かうことにした。名古屋駅の正面に見えるビルがミッドランドスクエアの前から出発している。名古屋市営バスのほか、県営名古屋空港や北陸に向かう高速バスの一部が発着している。

 夜にはツアーバス系の夜行バスが出発する。バス停に着くとちょうどバスがやってくるところであった。これが「ささしまウェルカムバス」である。名古屋駅と南側にあるささしま地区を結ぶ路線で、所要時間は約4分と利便性に富んでいる。

乗車時間は約4分のシャトルバス
乗車時間は約4分のシャトルバス

 当日は休日で人は少なかったが、ささしま地区には大学施設などがあり平日は朝に多くの便数が設定されている。バスを降車すると真新しいビル群の並ぶエリアに到着した。

 ここがささしまライブと呼ばれる地区である。かつては国鉄笹島貨物駅の広大なヤードが広がっていたが1986年10月に廃止され再開発が進められた。2005年には長久手・瀬戸を会場として開催された愛・地球博のサテライト会場「デ・ラ・ファンタジア」(De・La・Fantasia)として利用された。

■愛・地球博20周年記念行事

なんだか懐かしい面々が!
なんだか懐かしい面々が!

 その一角で開催されたのが「De La Mirai Nagoya(デ・ラ・ミライ・ナゴヤ)~未来を創ろう 愛・地球博20周年記念行事~」である。今年は愛・地球博開催から20周年を迎え、その記念行事として愛・地球博の理念と成果を再認識し、次世代へ継承するとともに、名古屋の多彩な魅力を市内外に発信することを目的として開催された。

今はミャクミャクが大人気だが20年前は…
今はミャクミャクが大人気だが20年前は…

 2日間にわたり市民参加型のブースやステージイベント、体験型ワークショップ、メモリアルシンポジウムなどが行われた。筆者もこの広場に来るのは初めてだったので、スタンプラリーなどで各施設を周りながら思い出を巡った。現在はここから中川運河を経て名古屋港の金城ふ頭までを結ぶ船が運航され、クルージングを楽しむ姿を見ることができた。

■SORAが登場!

フルカラーLED搭載のトヨタSORA
フルカラーLED搭載のトヨタSORA

 そして栄の別会場まで無料のシャトルバスが運行されるというので利用した。案内図に従って乗り場に行くと、看板を持って座っている係員がいたので恐らくここだろうと思い、待つこととした。通常ここからは乗車した「ささしまウェルカムバス」しかないので、名古屋駅方面以外に向かうことはできない。

名鉄バスの車両は基幹バス専用車
名鉄バスの車両は基幹バス専用車

 近くの交差点からバスが接近してきた。栄からの乗客が降りると案内の後、乗車することができた。用意されたのは燃料電池バス「SORA」である。今年名鉄バスに導入されたばかりの新車で、もちろん筆者も乗車するのは初めてである。

 前面・側面には「環境デーなごや2025 シャトルバス久屋大通公園、ささしまエリア」という表示が出され、フルカラーLEDでカラフルに、側面にはキャッチフレーズも載るなど特別方向幕掲出で走った。

燃料費高騰は水素も例外ではない
燃料費高騰は水素も例外ではない

 乗車すると車内の広さに驚く。運転席側の座席が車椅子の乗車に対応するため折りたたみ式の椅子になっており、広いスペースが確保されている。中扉から後部は通常の路線バスのような2人掛け座席が配置されているが、壁面にはUSBポートが備わっており発電所たる燃料電池車の威力発揮だ。車内全体は白を基調としたデザインが取り入れられとても明るい。

一般的なバスよりも若干ながらハイグレードな車内
一般的なバスよりも若干ながらハイグレードな車内

 モニターは前方と中央部に設置されており、行き先や降車バス停の確認は遠くを見る必要がないので便利だ。「SORA」は2018年に発表された量販型燃料電池バスである。名古屋には今年導入されたが首都圏では導入が進んでおり、東京都交通局には75台もの燃料電池バスが運行されている。

車椅子スペースはロングシートの折り畳み方式
車椅子スペースはロングシートの折り畳み方式

 燃料電池自動車「MIRAI」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム」を採用し、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、騒音や振動が少ない快適な乗り心地を実現している。この前身は2005年に開催された愛・地球博の会場間を結ぶシャトルバス(FCHV-BUS)であり、夢の乗り物として走ったバスが実現した形だ。

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