大阪・関西万博へのアクセスは大阪市内で見るとJR桜島駅からのシャトルバスをはじめ市内各地から多くの路線が設定されていた。万博の閉幕日が迫る中でのターミナルの様子を振り返りながらレポートする。乗った方もそうでない方も今後の大型イベント開催時の交通機関選択の参考にしていただきたい。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■うめきたのシャトルバス乗り場
まずは大ターミナルの大阪駅である。会期中は2路線が運行されていた。最初は北口発着のシャトルバスだ。大阪駅北口はJR高速バスターミナルがあるが、昼夜問わず多くの路線が発着していることから新たにバス停を設けるのは難しかったようだ。朝から多くのバスが到着しており、夜行バスから多くの乗客が降車し、各方面へ出発するバスを待合室で待つ等、非常に混雑していた。
ただ列車や夜行バスなどで到着した人がスムーズにアクセスできるように、比較的近くにバス停が置かれた。ここから西方向へ歩いていくと、大きな交差点が見えてくる。この角にある「うめきたグリーンプレイス」という駅直結のショッピングモールにシャトルバスが発着することとなった。
建物の1階に万博カラーの看板が見え、隣にバスが停車していた。ここが、うめきたのシャトルバス乗り場である。駅からみると交差点の向かいになるので、徒歩では距離もあるものの、デッキや地下通路でアクセスが可能なので天候を気にする必要はないようだ。
■うめきた発着は西日本JRバスが担当
うめきた万博シャトルバスは万博会場行きが1日14便、大阪駅行きが1日11便運行されていた。万博会場まで約40分、運賃は大人2000円だった。予約・決済はアプリ「KANSAI MaaS」で行い、全便事前予約制のシャトルバスであった。運行は西日本JRバスが担当して、大阪・関西万博のナンバープレートを付けた車両が出発を待っていた。
側面には公式マスコットキャラクターのにしばくんも描かれ、コーポレート色のあるラッピングとなっていた。また他にはENEOS、日野自動車、西日本ジェイアールバスが合同で開発した、国内初となる合成燃料を使用したシャトルバスが運行されていた。
これは再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素から一貫製造した合成燃料であり、原料製造から製品利用までの製品ライフサイクル全体において、CO2排出量を抑えることのできるクリーンな燃料であった。
開幕から幅広い濃度を検証するため補給する合成燃料の濃度を段階的に上げ、10月には100%を達成した。今後も燃料・車両・運行の各社相互連携による実証を進めるということなので、万博は終わったがどこかで乗車できる機会があるかもしれない。
■マルビルのりば
続いては南口である。大阪駅の中央南口を出ると大きなミャクミャクがお出迎えしている姿があった。ここがマルビル大阪・関西万博バスターミナルである。過去にこの場所を訪れたことのある人ならお分かりだと思うが、見渡す限り見慣れた丸いビルの姿はない。それもそのはずで、バスが発着する場所はかつてマルビルのあった場所なのである。
大阪マルビルは1973年、前回の大阪万博から3年後に日本初の円筒形超高層ビルとして建設が始まり1976年に竣工した。その後大阪のランドマークとして親しまれ47年目を迎えた2023年に建て替えのため営業を終了した。
今後は新ビルが2030年の完成を目指して建設されるが、万博期間中は敷地をバスターミナルとして提供していた。バス乗り場に向かう端にはマルビルの歴史を伝えるモニュメントと看板が置かれていた。





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