大阪市内にあった万博シャトルバス発着ターミナルの様子を振り返ってみる……

■高速車に貸切車に路線車まで!

京阪バスの高速車
京阪バスの高速車

 マルビル万博シャトルバスは万博会場行きが平日11便、土日祝日は14便、大阪駅行きは平日が1日10便、土日祝日は10便が運行された。万博会場までは約30分、運賃は1000円であった。予約・決済はうめきたの路線と同じくアプリ「KANSAI MaaS」で行い事前予約制のシャトルバスであった。運行は主に京阪バスが担当し、時間帯により明星観光バス、中央交通バスが担当する便も存在した。

京阪バスの路線車
京阪バスの路線車

 さらに車両もバリエーションがあり、高速バスタイプや路線バスタイプ、さらには自動運転バスで運行されることもあった。この日の朝は全便満席になっていたが、続行便も出ており複数のバスが並んでいた。

京阪バスのワンロマ車
京阪バスのワンロマ車

 また先頭のバスは高速バスタイプで後ろは路線バスタイプと、さまざまな組み合わせになっていた。定刻になるとバスは万博会場に向けて出発していった。見た感じではどちらのバスもほぼ満員のようであった。

■弁天町のりば

弁天町から万博までは地下鉄で一本だが?
弁天町から万博までは地下鉄で一本だが?

 最後に訪れたのは弁天町駅である。JR大阪環状線と大阪メトロ中央線が交差する同駅は、万博会場の最寄駅である夢洲へ向かうための乗換駅でありJRからの乗り換え通路などが整備され、会期中は多くの人が通過人員になった。

弁天町は路線バスにとってもターミナル的な存在
弁天町は路線バスにとってもターミナル的な存在

 大阪メトロ中央線は会場へ向かう人で満員だったが、同駅からもシャトルバスが発着していた。大阪メトロの弁天町駅を出るとすぐ隣のビルである、モビリティハブ弁天町の1階がバス乗り場だ。乗り場を見ると既に乗車する人が列を作っていてバスを待っているところだった。

■一見不合理だが?

不合理に思えるが東西ゲートに分けるためには有効な手段だった
不合理に思えるが東西ゲートに分けるためには有効な手段だった

 弁天町駅シャトルバスは万博会場行きが平日月曜日~木曜日が17便、週末金曜日から日曜日と祝日が26便で運行されていた。また同路線は万博会場に向かう1方向の路線であり、弁天町行きのバスは設定されていなかった。そして万博会場までは約25分、運賃は850円だった。予約・決済は同様に「KANSAI MaaS」で行い全便事前予約制のシャトルバスだった。

日本交通の貸切車
日本交通の貸切車

 弁天町からだと地下鉄1本で万博会場にたどり着くので、ここからバスに乗り換えるのは不合理に思えるが、これには来場者を東と西のゲートに振り分ける事情があった。弁天町シャトルバスは開幕当初は存在しない路線だった。会期が進むにつれ徐々に来場者が増加していくと、東と西の両ゲートで待機列の長さに差が出てくるようになった。

必ず着席できるので人気だった
必ず着席できるので人気だった

 これは東ゲートのアクセスが地下鉄なのに対して、西ゲートはバス・タクシーによる来場者で、どうしても輸送力に違いがあるため差異が出た。そこで万博協会は西ゲートを利用する来場者を増やすために既存の路線を増発し、新たな路線を次々と増やしていった。その中の1つが弁天町シャトルバスである。8月1日から運行が始まり、7時台から運行するということもあり好評だった。

■狭いスペースで乗客をさばく!

大型バスにとっては決して広くないスペース
大型バスにとっては決して広くないスペース

 運行は大阪メトロが担当していたが、路線車ではなく高速車や貸切車で運行されていた。そのため必ず着席できることもあり、人気だった。待機所を含めて帝産観光バス、はやぶさ国際観光バスの車両がいた。

 会期後半に増やした路線ということもあり、車両の確保が大変だったような印象を受けた。通路部分があまりないようで、乗車するバスごとに列が形成されバスが出発したら次発に乗車する人をで誘導し、空いたスペースに次の待機列を作るという流れだった。

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