バスのお仕事とは、なにも運転士だけではない。貸切バスのバスガイドも重要な職業だ。現役バスガイドが楽しく真剣に仕事の魅力や大失敗談を赤裸々に語る「へっぽこバスガイドの珍道中」、今回はバスガイドデビューを果たしいよいよトップシーズンを迎えることになった者が初めて経験した「繁忙期」について回顧する。
文/写真:町田奈子
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■気づけば、忙しくなっていた
コロナ禍でのデビューだったため、4月までは働いては休業を挟み、また働いては休業を挟む、という日々が続いていた。しかし、いよいよ本格的な繁忙期が始まったとき正直かなり動揺した。毎日出払う。初めての泊まりの仕事が連続する。
それまで比較的落ち着いた期間を過ごしていた私にとっては、大パニックに陥っていた。今となっては当たり前のことだが、当時の私にとっては完全な混乱状態だったのだ。
■最初に立ったのは鎌倉!
そんな大混乱の中で迎えたのが、鎌倉への校外学習だった。台数口(複数台数での運行)の運転士さん、ガイドさん、旅行会社の添乗員さん、学校の先生方。大人数での打ち合わせに、私はただただ圧倒されていた。
頭の中は、重要観光地である鶴岡八幡宮と高徳院の大仏様の下車案内ですでに精一杯だ。思わず「下車案内って……」と口にしかけたところ、「質問は後で。今は出しゃばらなくていい!」とチーフガイドに諭されたというか叱られた。
■車内でできることは全部やる!
実際に乗務してみると、車内で一通り話しておけば、現地では「さきほどお話しした通りでして…」と案内ができる。車窓案内、お土産情報、食べ歩きのおすすめ。バスの待機場所、集合時間、出発時刻。先頭号車から無線で飛んでくる情報を行程表に書き留め、即座に車内で案内する。
鎌倉は到着までは長いが、鶴岡八幡宮が見えてきた瞬間から一気に忙しくなる。初めての本格的な貸切デビューは、今思い出してもヒヤヒヤものだった。
主祭神は応神天皇で、神額の八の字は鳩になっていて、鳩サブレ―はこれがモチーフで等々、案内できることは惜しみなく一分の隙もなくすべて差し出すことで精いっぱいだった。
■初めての泊まり仕事は想定外の連続!
初めての泊まりの仕事も、今でも忘れられない。都内観光をクラスごとに分かれて行い、その後は山梨のペンションで合流する行程だった。私はスカイツリーの担当だ。運転士さんと担々麺を食べたその店にスマホを忘れてしまった。初の泊まりの仕事で、早々にスマホを紛失してしまうやらかし。
行程の流れもつかめず、サービスエリアでの交通誘導や、宿泊先での後輩ガイドがやる仕事(役割)がうまくできなかった。その日の夜に宿で行われた反省会は約2時間だった。仕事後には運転士さんがスカイツリーまで送ってくださり、スマホを回収してから会社へ戻るという余計な回り道をさせてしまったフルコースツアーだった。なかなか手のかかる大物新人であった。






コメント
コメントの使い方私よりも奈子さんの方が絵の才能全然上です!