今から15年前、あなたはどんな生活を送り、何をしていたか、すぐ思い出せるだろうか……。ちょっと前のようで意外と昔。“ひと昔”なんていう言葉がマッチするのだろうか。これらの写真にクラシカルさを感じられるなら、なかなかのマニア度があるといって良さそうだ。
文・写真:橋爪智之
構成:中山修一
■気づけば遠い昔の出来事に…
2026年の15年前と言えば、東日本大震災があった年。あの大惨事から、気が付けば15年が経過していたことに驚いた。光陰矢の如し、どんな出来事もあっという間に過去の話となってしまう。
その当時、筆者はまだ会社勤めをしていたが、震災の後はあまり熱心に撮影をしていなかったのか、あまり写真が見つからない。
当時はまだデジタルへ移行する前でフィルムを使っていたが、震災の年の秋に取材でヨーロッパへ出掛けた時の写真しか見当たらなかった。バスの写真も、この頃はほとんど記録しておらず、今さらもったいないことをしたと少し後悔した。
■14年前に撮られた写真の思い出
ただその翌年、2012年に英国へ移住することになり、ここからまた写真の枚数が増えていった。もちろん、その当時のロンドンバスの写真も記録されていた。そう、震災の翌年なので、ちょうど14年前の写真だ。
バスを含む自動車の寿命は、他の乗り物と比較すると短い方だ。自家用車は10年くらいで乗り換える人も多く、車両自体の寿命も整備状況次第では20年が限度だ。
そもそも自家用車はデザインなどの流行り廃りがあるので、中には比較的早く買い替える人もいる。過去の写真をひっくり返して、町中に写っている車を観察すると、当時は何とも思わなかった車種が、今見るととても古臭かったり、懐かしく見えたりする。
ならば、当時撮影した路線バスも同じじゃなかろうか。日本の状況とは少し変わると思うが、14年も昔というと、バスの寿命を考えれば、多くの車両は引退をしていておかしくはない。
撮影当時、新車としてデビューした車両で、2026年現在に最後の活躍をしている、という感じではなかろうか。
■あの頃の写真に写っていたロンドンバスのラインナップ
写真の中で特に目立ったのは、丸目ライトがユーモラスなデニス・トライデント2のALX400ボディだ。
現在のアレクサンダー・デニスの前身、デニスが1997年から製造開始した2軸2階建ての路線バス用シャーシで、香港やシンガポールなどで多く見られた3軸車は、デニス・トライデント3と呼ばれた。
当時、すでにノンステップ車が標準となっており、このデニス・トライデント2もノンステップ車だった。
ちょうど業界再編の過渡期に製造されていた車種で、2001年にデニスグループがトランスバスのグループに組み込まれたあとはトランスバス製となり、モデル末期の2004年にはアレクサンダー・デニスへ再々編された。
トライデント2は、丸目ライトが特徴のアレクサンダーALX400ボディが標準であったが、同じ傘下のプラクストン製ボディのプレジデントも販売された。他に、イーストランカシャー・コーチビルダーズ製のボディも存在した。
ロンドンバスでは、この丸目ライトの標準タイプ、ALX400を多く見かけたが、プラクストン・プレジデントボディも並行して導入されていた。もちろん、これらはすべて引退しており、営業用としては残っていない。



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