フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は、新たに担当する路線として田町ルートの教育を受けることになった。1日限りの空車教育でつかみ取ることができるのか。その模様をレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■出庫準備
空車教習の日は8時40分出勤で9時出庫とたいてい相場は決まっている。とはいえ、通常勤務のように出庫時刻の1時間程度前には営業所に到着して、諸々の確認や点検を済ませるのはいつものことだ。ただし、初任運転士の空車教習時と異なるのは、すでに他の路線で運転士として運行をしているので、出庫までの手順は分かっているということだ。
本日は田町ルートの空車教習なので、教官運転士とあいさつを交わして教習に使用される車両番号を確認して、運行前点検を済ませる。バス停で待っている乗客が誤乗しないために「教習車」「乗れません」と書かれたプレートを前後と左側に貼り付ける。
教習車とはいえ、現役で使用する路線バスの車両を使用する。すでにちぃばすとしては第一線から退き予備車的存在の少し古い車両だが、排気量が大きくパワフルな直6エンジンだ。そして、教習中に営業運転車両に何かあったときには、すぐに教習車として使用している車両が救援に向かい車両交換する可能性は排除できないので、教習では使用しないが万が一のために金庫は取り付ける。
■1周目は教官のお手本
最初の1周目は教官が手本を見せる。田町ルートは営業所を出ると「芝浦車庫」バス停が目の前にある。いわゆる車庫便として田町ルートだけに設定がある入出庫を営業運転する便である。乗車率は高く、特に降雨時には駅までの利用が多い傾向にある。出庫後にまずは芝浦車庫バス停につける。
バス停までの距離がないので、営業所を意識して大回りで右折すると何とかバス停につけることができる。それほどストロークがないのだ。そして、芝浦四丁目に停車すると芝浦港南ルートと同じなので、いつもの通りだ。ただし、車庫便の入出庫ルートは藻塩橋バス停には停車しないので、特に注意を要する。
芝浦港南ルートに慣れているとついつい停車してしまいそうになるので、注意するように言われた。そして、田町駅東口に到着。ここから、三田線三田駅前バス停までは芝ルートと同じなので、特に道順やバス停の位置に問題はない。芝ルートの車両が小型車なのに対して、田町ルートは中型車であることが異なる程度だ。
新任の教育ではないので、道順とバス停の位置関係、経路上の注意事項について重点的に教授される。旅客の扱いや、特殊な位置関係のバス停を除く一般的な停車位置等については他の路線で経験しているので特に指示事項はなく、気を遣う経路について多くの注意事項が指示された。
六本木ヒルズ停留所は、起終点バス停ではなく途中の通過バス停だが、実質的には折り返し地点である。まったく同じ道順ではないが、田町駅東口を経由して芝浦車庫まで戻って終点なので、循環路線として扱われている。
循環路線として運行しているということは、極端な話だが田町駅東口から乗車して六本木ヒルズでそのまま乗り通して田町駅東口まで戻って下車しても100円だ。1往復というか1周で1時間弱なので、バスマニアの方はさまざまな角度から眺めることができる東京タワーを見ながら乗車していただきたい。



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