■2周目で初の運転
1周の運行を終えて、車庫で休憩して2周目は記者がハンドルを握ることになった。車庫便想定で出発し、田町駅東口から六本木ヒルズを経由して田町駅東口、芝浦車庫まで戻って概ね1時間強の道のりである。
2周目は初めて運転したということもあり、教官に道順を確認してバス停の位置を聞きながら全停留所に停車して、可能であればドア扱いをして停車位置を確認して走った。他のルートもそうだが、東京都内しかも港区という都心中の都心を走るので重要なのはライン取りである。
次の停留所の位置や、右左折方向によりライン取りを考えて走らないと、他の右左折する車列に引っかかり遅延する。中には常時路駐がある道路や、バス停を出る合図を出しているにもかかわらずお構いなくタクシーがまくってくる場所も多くある。これらをけん制する意味でもあらかじめ準備しておかないと永遠にバス停から出ることができないほど交通が多い場所もある。
これらの位置取りは運転士により異なるのかもしれないが、長い知見で得た教官運転士の「教え」は重要で、知らなければ円滑な運行はできないのは他のルートでいやというほど思い知らされているので、覚えることに努めた。
■オリジナル短冊を携えて…
営業所で昼休みを取り、3周目からは他のルートと同様に通常運行と思って運転することを指示された。ルートを間違えることはおそらくないが、バス停を飛ばしてしまうことはあり得る。しかし教官からは、「飛ばしたら二度と忘れないから空車教習なので構わない」と言われ、他のルートで運行しているのと同じ記者のスタイルで運転した。
以前に芝ルートの教習の記事で、経路やバス停の位置を覚える方法として、同じ道路上に何個のバス停があるかをあらかじめカウントしておき、曲がるたびにカウントをリセットしていく方法を紹介した。休憩中にバスに積んである通称「短冊」と呼ばれる全停留所と分単位の時刻が書かれた運転士用の時刻表を事務所でコピーして、オリジナルのバス停カウント短冊を作った。
これを見ながら、曲がれば何個の停留所があるのかを確認した。特にバス停を飛ばしてしまうことはなく、無事に営業所にたどり着いた。こうして数周回するうちに覚えてしまったようなので、最後に参考までに高輪ルートを1周して終わろうということになった。
■高輪ルートの試運転
フジエクスプレスが運行する港区のちぃばす全8路線のうち、中型車で運行するのは3路線である。すでに記者が運行を担当している芝浦港南ルート、本日空車教習している田町ルート、そして高輪ルートの計3路線である。
せっかく中型車を1日教習車として運用しているので、今後の参考のためにということで、高輪ルートを眺めることにした。高輪ルートは品川駅港南口から高輪地区の山沿いを経由して、浅草線三田駅前に至り運転士は交代して品川駅港南口に戻る循環路線である。
路線としては単純往復のようだが、折り返し地点の浅草線三田駅前で乗客は引き続き乗り通せるので、循環路線扱いである。高輪ルートの最大の難関は京浜急行線の踏切である。これが開かないがために数十分の遅延というのはよく見る。そこで、完全に鉄道側の進路が閉鎖されてしまった場合に備えて迂回ルートが存在する。鉄道側が事故の場合等では迂回しないと仕方がないのだ。
今回はその迂回ルートを通ることにした。指示に従い記者がハンドルを握る。実際の営業運行で迂回の判断は運転士ではできず、運行管理者の指示によりはじめて行えるのだが、知っておかないと踏切を通過できないので立ち往生してしまう。
めったにあることではないが、迂回ルートを試しにでも走れるのは空車教習の利点でもあり、心強い。高輪地区のルートはとにかく道が狭く、歩行者や路駐車や対向車のすべてが多い経路なので、田町ルートとは異なる難しさがあるように思えた。



コメント
コメントの使い方