西鉄「赤間急行」に乗りバス 鉄道駅との連絡無しで突っ走る!!

西鉄「赤間急行」に乗りバス 鉄道駅との連絡無しで突っ走る!!

 乗りバスレポート、今回は西日本鉄道(西鉄バス)の通称「赤間急行」だ。国道3号線バイパスと福岡都市高速道路を走り、宗像市と福岡市中心部を直結する。競合する鹿児島本線沿いにはほぼ同区間を走る一般路線バスもあるが、赤間急行は鉄道駅とは一切接続せずにひた走る。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】中距離路線のホープ!西鉄「赤間急行」は果たして何が来るのか?(15枚)画像ギャラリー

歴史はかなり古い

 昭和56年(1981年)から運行を開始し、担当は当初から赤間営業所。しかし赤間営業所は分社化されて西鉄バス宗像の本社になり、赤間急行と前述の福岡市とを結ぶ路線バス(26番・26番A)は、西日本鉄道(西鉄本体)からの管理委託を受けて運行されている。

赤間営業所構内にある赤間バスセンター
赤間営業所構内にある赤間バスセンター

 よって赤間急行の車両は西鉄所属で、西鉄バス宗像の本社(営業所内)に西鉄の赤間第二営業所を設置して、西鉄バス宗像の運転士が乗務する。営業上の停留所名は現在でも「赤間営業所」なので、実際には会社の違い等は意識せずに乗車できる。

競合する鹿児島本線を完全無視!

 バス停は赤間営業所構内に「赤間バスセンター」として設置されており、横断歩道を渡れば鹿児島本線の教育大前駅である。がっつり競合しそうだが付近の中心は隣の赤間駅であり、当駅には快速電車も停車しない。

JR鹿児島本線・教育大前駅は赤間営業所の目の前
JR鹿児島本線・教育大前駅は赤間営業所の目の前

 つまり特急電車も停車する赤間駅から博多側が事実上の競合になるのだが、赤間急行は鉄道駅とは一切接続しないので鹿児島本線は完全無視状態だ。

 赤間営業所を出たバスは国道3号線のバイパスに入るのだが、駅を一切無視して大丈夫なのかと思う。しかし駅まで通勤や通学で行く周辺の新興住宅地付近を走る、バイパスの地の利を生かす。

 住宅地から駅まで行くお客さんをごっそりいただいてしまうのが、赤間急行の狙いだ。高速自動車国道は走行しないが中距離のため、赤間急行はトップドア4列リクライニングシート車のみが投入されるので快適である。

昔は一般道路だけで福岡・北九州間を乗り継げた

 かつては当地から黒崎バスセンターへ路線バスがあり、福岡・天神からは赤間営業所と黒崎バスセンターで乗り継げば、小倉や門司まですべて路線バスで行けたのだが現在ではこのルートは不可能である。

赤間バスセンターに入線する赤間急行
赤間バスセンターに入線する赤間急行

 どうしても一般道経由の路線バスだけで福岡市と北九州市をつなぐのであれば、博多駅からJR九州バス直方本線で直方まで行き、西鉄バスの急行で黒崎に出るしかない。

 某テレビ番組のようにコミュニティバスまで動員して乗り継げば、遠賀川駅から直方経由で行けないこともないが、本稿趣旨とは異なるので詳細は割愛する。

次ページは : 最近は純正ハイデッカーも入るが今狙うべきは…

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。