隘路あり風情あり!!いつの間にか乗り換えて延長移動!? 「亀21系統」こそ乗りバス魂を揺さぶる!!

新旧の葛西橋には注意が必要

 元八幡を巡ったところで、再び亀戸駅前行きのバスに乗車する。元八幡通りから突き当りを左に折れて北向きに走り、葛西橋のたもとに出て葛西橋通りをそのまま直進。その先の突き当たりを左折して清洲橋通りに入ると旧葛西橋停留所。

 旧葛西橋はこの道の延長線上にあり、昭和38年に現在の橋に架け替えられた。通りの終端に史跡として看板が残されていて、この辺りは釣船屋があり古き良き時代を今に伝える。余談だが葛西橋停留所は川沿いの番所橋通り上にあり、葛西橋を渡る系統などは止まらないので注意だ。

系統が大きく分離する丸八通りと商店街

 清洲橋通りを西に向かい、亀高橋交差点右折して丸八通りを走る。この区間は都営バスの系統がいくつかあり、乗り換えもできる。比較的に利用者が多いのは、秋26系統と亀29系統だろう。秋26系統は以前の乗りバス記事(関連記事参照)をご覧いただきたい。亀29系統は亀戸駅前から西葛西駅前などを結ぶ。

 この2つの系統に乗り換えれば、東は江戸川区から西は中央区や千代田区まで行ける。この辺りから亀戸駅方面は2つの経由が存在することになる。

亀高橋バス停
亀高橋バス停

 丸八通りに入り亀高橋の次は北砂七丁目停留所。左手に商店街のアーケードがあり、有名な砂町銀座商店街だ。この商店街は西に伸びて明治通りまで繋がっていて長さは670mある。

 銀座商店街の名称は各地あるが、そのうちの1つだ。銀座はすべてではないが、銀貨を鋳造または銀の地金を扱っていた場所を示すことが多い。毎月10日には「ばか値市」というイベントや、シーズン別のイベントとしては七夕祭りなどもある。

 以前は北砂七丁目止まりの東21系統があった。永代通り、晴海通り経由で東京駅南口まで行っていた。東21系統の歴史は古いが、なぜ北砂七丁目が終点なのか。

 それは丸八通りが全通したのは昭和49年で、当時はここから北方向にはバスが通れる道ではなかったからだ。この頃は通りが少しセットバックしていて、その敷地を利用してUターンしていた。今はその面影はない。

亀戸駅前までラストスパートと旧ルート

 砂町銀座商店街を左に見てバスは北に進む。丸八橋という小名木川の太鼓橋を渡ると江東区大島地区に入り、大島駅前で都営新宿線と接続する。バスも新大橋通りを走っているが、停留所は少し離れているので注意が必要。大島駅を過ぎるとまた太鼓橋が現れる。

 首都高速7号小松川線の下を流れる堅川にかかる堅川大橋である。現在はそのまま直進して京葉道路を左折しているが、昭和末期までは橋を渡り亀戸駅方面は左折し一本裏の通りを走っていて、明治通りから亀戸駅にアプローチしていた。当時は途中にさらに2つの停留所があった。1つは平岩公園で公園の目の前に停留所があった。

首都高速は前の東京五輪に間に合わせるため用地確保をしなくて済む川の上を走ることが多い
首都高速は前の東京五輪に間に合わせるため用地確保をしなくて済む川の上を走ることが多い

 もう1つは第二亀戸小学校通りという停留所だ。筆者は平岩公園は覚えていて、昔ながらの丸ポールがポツンと公園の前にあったのを記憶している。もう1つの停留所はなぜか記憶にない。

 現在のルートに戻ると京葉道路を走り亀戸六丁目、都電跡の水神森と停車し、明治通りを右折して亀戸駅のロータリーへ入る。ロータリー左端で降車扱いをしてバスは5番乗り場へ向かう。東陽町駅前方面はここから左に出発し、駅の西側を大回りして京葉道路に入る。

亀戸駅前降車専用停留所
亀戸駅前降車専用停留所

 この路線は以前から乗車したことはあったが、路線の歴史としては比較的新しいながらも地域に根差した路線であるのが改めて分かった。このような地域密着路線は変わらず存続してほしいものだ。

【画像ギャラリー】乗りバスレポート・都営バス「亀21」系統の沿線風景(9枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。