今回の乗りバス記は、おそらくシリーズ初の都営バスの都市新バス「都07」系統だ。門前仲町から錦糸町駅前までを乗車した。この区間は3本の路線があるが、最も便数が多いのが「都07」系統だ。この系統はかつての都電38系統の代替路線として長く機能している。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
南北のルートで3系統が分かれる!
門前仲町から錦糸町駅前までの系統は都07の他に東22と東20があり、南北のルートにより分かれる。西側から東20、東22、最も東側のルートを取るのが都07だ。この区間を乗り通す場合のダイヤ上の所要時間もこの順で短い。都07は約7kmの距離を30分強で走る。担当営業所は都営バス江東営業所だ。
門前仲町は多くの系統が南北に行き交い、また発着する。これら錦糸町駅前に至る3系統は同じ停留所から発車するので、選択がしやすいが乗客も多いので常に人が並んでいる感じがする。
門前仲町は東西線と都営大江戸線が交わるので乗降客も乗り換え客も多く、地下も地上も人通りが多い。都07系統はまずは永代通りを東に進む。木場駅前までは3系統の重複区間だ。富岡八幡宮や深川不動が並んでいる文字通りの門前町なので参拝客も多い。
学術的にも興味深いルートだ
木場駅前で東西線と接続してさらに永代通りを東に進む。3系統のうち最も本数が少ない東20系統はここでお別れだ。さらに東進すると東陽三丁目停留所に着く。ここは副停留所名に「洲崎橋郵便局前」という名称が付いている。
永代通りを南北に貫く通りは江東区側では「大門通り」(おおもんどおり)と称し、大門とは遊郭の入り口にあったチェックポイントの門だ。昔は東陽三丁目バス停の南側に映画にもなった洲崎パラダイスという歓楽街があった。
ここから大門通りを北に行くと1本道で吉原大門まで続いていた。これら洲崎、吉原、大門という地名はすでに消滅しているが、交差点名や通り名、あるいは停留所名として残っているのが学術的、民俗学的見地から興味深い。
東陽操車所から東陽町駅前へ
東陽操車所前を出るとまもなく東陽町駅前に到着する。当地で乗客の多くは入れ替わる。江東区役所が近く、東西線とも接続するので都営バスの乗客はこのあたりで特に多い。東22系統とはここでお別れする。
さらに永代通りを東に進み江東運転免許試験場前に停車。運転免許試験や免許更新でお世話になった人も多いはずだが、試験場に行くために都07系統を利用する人も多く、平日は特に込み合う。
日曹橋からようやく針路を北に向け、明治通りを北上する。南砂三丁目でまた乗客が入れ替わるが、概ね座席定員以上は常に乗車している感じだ。そして都営新宿線の西大島駅前に到着する。
明治通りをさらに北上すると亀戸駅通りに到着する。亀戸駅前には入らないが、歩道橋を渡るとすぐに駅なので亀戸駅利用者が降車する光景も見られる