2020年に廃止されてしまった、JR札沼線の北海道医療大学〜新十津川間。あれから4年が経ち、現地はどのように変わったのだろう。廃止後にできた鉄道代替バスに乗り、ちょっと様子を見に行ってきた。
文・写真:中山修一
(札沼線とその代替バスの写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■3分割になった札沼線代替バス
2024年5月現在のところ、廃止になったJR札沼線末端区間の公共の足を維持するために、代替バスが毎日運行している。
代替バス化後は、札沼線ローカル地帯への入口だった当別駅(旧・石狩当別駅)〜月形駅(旧・石狩月形駅)、月形駅〜浦臼駅、浦臼駅〜新十津川・滝川駅を結ぶ3つの路線に分割された。バスを運行する事業者もそれぞれ異なる。
1日あたり平日3回・休日2回とチャンスは少ないものの、うまく時間を合わせればバスを乗り継いで、鉄道時代のように当別〜新十津川間のアクセスができるほか、そのまま函館本線と根室本線の滝川駅まで直通するようにもなった。
■鳥のように羽ばたく代替バス
札沼線の姿を最後に見たのは2019年の初夏。あれからどうなったのか、急に見てみたい衝動に駆られ、ちょっと行ってみることにした。
最初に利用するのが、当別〜月形駅間を受け持つ、下段(しもだん)モータース運行による、札沼線バス月形当別線だ。
バスには愛称がついており、はじめ地名の当別とかけて「と〜べる号」なのかと思っていたら、Flyのほうの「とべ〜る号」が正解。
これはバスのボディにも描かれている、当別町のイメージキャラクター「とべのすけ」君がスズメであるところが、バスの愛称と深く関わっている……のだと思う。
■ポンチョとハイエース
札沼線バス月形当別線「とべ〜る号」は、1日あたり平日9本・休日7本の設定。鉄道だった時代、石狩月形まで行く列車は7本くらいあったので、それとほぼ同じ本数がキープされている。
元々利用の少ない区間であるため、バスの車両は小さめ。小型バスの日野ポンチョと、ワゴン車タイプのトヨタ・ハイエースの2種類があり、どの便にポンチョ/ハイエースが入るかは固定だ。
当別駅前を11:35に出発する2便をつかえまることにして、それに間に合うよう当別駅まで向かった。何となく決めて前泊した場所が定山渓で、そこからだと当別まで50km以上離れていると気づき、毎度のことながら北海道は広いと痛感させられた。
■線路跡に寄り添いながら……
11:35発は日野ポンチョが入る便だ。はじめ4人ほどを乗せ、駅周辺をぐるりと大回りしつつ、何名か利用者をピックアップしていき、国道275号線に入った後はほぼ道なりに進む。
バスは現在の札沼線の終点になっている北海道医療大学にも立ち寄り、大学から浦臼・新十津川方面へのアクセスを引き続きサポートしている。
この日は土曜日。北海道医療大学を出る頃には15名ほどの利用があった。「いつもこれくらい乗ってくれれば良いんだけどねぇ」とは、とべ〜る号の運転手さんの弁。
メインルートの国道275号線は札沼線の線路と並行するように敷かれている。そのため、チラチラと廃線跡の様子を窺いながら進んでいける。踏切だった箇所を除けば、まだ結構な割合でレールが残っていた。
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