令和の代替バスが行き着く先は炭鉱のあった街だった……だと!? 〜その後のJR留萌本線〜

■すごいものが置いてある!

恵比島のランドマーク的廃墟、元留萌鉄道本社にして日本ケミカルコート社屋跡
恵比島のランドマーク的廃墟、元留萌鉄道本社にして日本ケミカルコート社屋跡

 民家のない場所に温泉施設がポツンと有る不思議なオーラを放つ幌新温泉。今はそういう場所になっているが、実はこのエリア、その昔に炭鉱があった。

 「昭和炭鉱」と呼ばれ、全盛期には一つの炭鉱町が作られて大変賑わったそうだ。現在の幌新温泉よりも数キロ離れた先には、コンクリート造りのアパート群や、天候に左右されないトンネルの中に商店街を広げた「隧道マーケット」なる変わった施設まであった。

 1960年代に入ると、エネルギーが石炭から石油へとシフトしていく時代の渦に飲まれ、北海道の炭鉱としては比較的早い1969年に昭和炭鉱は閉山している。

町営バスの終点である幌新温泉とその施設
町営バスの終点である幌新温泉とその施設

 また、恵比島〜幌新〜昭和間17.6kmには、当時唯一の交通手段であった鉄道線の留萌鉄道が閉山まで営業していた。

 現在のバスの通り道に近い経路で線路が敷かれていたようで、町営バスで幌新温泉に向かいつつ車窓を眺めると、大勢の人々が行き来したであろう昔の炭鉱ロマンにちょっと浸れるかも。

 今も炭鉱時代の面影を色濃く残す遺産が幌新温泉にある。1931〜67年にかけて昭和炭鉱で活躍、当時の東横線でも使っていた時期があったと伝えられる、ドイツ製の蒸気機関車クラウス15号がそれで、5〜10月の間に一般公開されている。

沼田町指定文化財、準鉄道記念物、日本遺産「炭鉄港」構成文化財の肩書きを持つクラウス15号
沼田町指定文化財、準鉄道記念物、日本遺産「炭鉄港」構成文化財の肩書きを持つクラウス15号

 1889年製造と、国内で使われ現存している小型蒸気機関車の中でも最古と言われる。それを見に行くだけでも価値の高い場所だ。

【画像ギャラリー】「炭鉱のあった場所」まで偲べる代替バス〜沼田町営バス〜(15枚)画像ギャラリー

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