■ラジオ点けっぱが必須?
バスがJAを出発すると、まず手前にある平安座島へ渡るために、沖縄県道10号線「海中道路」を通っていく。海中と名が付くのでトンネルか? と思いきや、およそ4.8km続く橋であった。
平安座島に入ってしばらくすると、また長い橋を渡って隣の浜比嘉島に立ち寄り、島内を少し回ったのちに平安座島に戻り、その後宮城島→伊計島へとコマを進めていく。
車内では、ずっとカーラジオから生放送の番組が流れていた。たまにそういう路線バスもあるけれど、恐らくこれは運転手さんの好みでやっているワケではなさそう。
2011年7月に宮城県でレンタカーを借りた際「ラジオは必ず点けておいてください」と、念を押されたのを思い出した。あの時と大体同じ理由な気がする。
なにしろ四島経由循環バスは海に囲まれた場所を走る路線。両手が塞がっている時に、最も速く情報を確実にキャッチできるのはラジオくらいなもの。“アレ”を聞いたらすぐ逃げるための安全対策、なのだと思う。
それはさておき、特に何もなければ景色の良い区間が点在した、オーシャンビュー路線の一つに数えられるはず。しかしここで注意が必要なのは進行方向左側の最後部座席。
上半身が窓全体にかかるくらいまで大きい「うるうらら」さんがラッピングされている位置で、裏(車内)からは透過する材質かと思っていたら普通の貼り物。
普段通りに一番後ろに着座して、側窓に視線を移したら顔がドーン!! な状況に陥ってしまったのは、果たして貴重な触れ合い体験だったのか、それとも俺の景色どうしてくれんのよ、だったのやら??
■ドアtoドアはできません
温泉に行くためには、バスの終点「伊計共同売店前」もしくは1つ手前のバス停で降りれば良いようだ。各停留所同士はそこまで離れておらず、せっかくなので終点まで乗っていくことに。
JA与那城のある位置から伊計島まで、まっすぐ行っても16kmほどの距離がある。さらに四島経由循環バスは立ち寄りする区間が加わって、JAおきなわ与那城支店前〜伊計共同売店前間の総距離を見ると26.1kmある模様。
利用した便の所要時間は55分。運賃は200円と、距離に対して激安! 車体に掲示されている名称には「循環バス」と書かれているが、このバスの場合は周回型ではなく同じ道筋を往復する、ポイントtoポイント型だ。
さて、バスを降りたらあとは待望の温泉施設へ向かうだけ。ただしちょっと注釈が付き、バスは施設の前まで行かないということ。畑に囲まれた道をまっすぐ1.8km、ここだけは歩かないと無理らしい。
持っていた荷物はトートバッグ1個だったので、それほど難はなかったものの、路線バス旅をやるなら少ない荷物で!! がお約束だと思っているのは、こんな日常茶飯事の如く現れる強制徒歩移動に対応する目的もあったりする。
温泉へと続く行程の途中に、縄文時代に人々が暮らしていたという集落の跡「中原遺跡」があるので、ちょっと寄り道して眺めていくのもオススメ。
遺跡寄りつつ、ゆっくり30〜40分くらいかけて歩いていると、目線の先にホテルらしき建物が見えてきた。うるま市の島の端っこにある温泉宿泊施設へは、こうして路線バスを使ってのアクセスも十分可能だった!!
泊まりでも温泉が別料金だったのは予想してなかったけどね。
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