南を瀬戸内海、北を日本海に面する兵庫県。南北の海が県内で完結している同地を、下から上へ路線バスだけで縦断できないかと考えやってみた話の第4回目。
文・写真:中山修一
(兵庫県バス縦断チャレンジの行程写真付きフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■迂回は仕様です……?
三宮(三ノ宮)→社→北条町→新野駅と、ダイヤの都合でバスが中々キレイに繋がらず、6km+の徒歩と1泊挟みながら何とかコマを進めてきた。
前述の行程を地図上で見ると、北上するのに西へ迂回を余儀なくされ、進んでいるようであまり進めていないような??
そうしないと行けない(たぶん)ので仕方ないけれども、何ともロスの多い道のりを辿っているのは間違いない。
しかし新野駅まで来てしまえば、後は一気に北上できそうなルートを見出した。今や全国的に珍しい、電車の線路に並行して走る路線バスが兵庫県にはまだ残っていて、それを使うと豊岡方面に抜けられるらしい。
■乗ってきたバスにまた乗る
新野駅から利用するのは、新野駅〜生野駅間16kmの距離を結ぶ、神河町コミュニティバス生野線だ。平日は1日3本と、ローカル路線バスらしい細さを描く本数のうち、11:25発の第2便を掴まえる。
新野駅までは、4.5kmほど離れた病院から、ウイング神姫が委託運行している同町のコミバスで来た。駅に着いてしばらくすると、乗ってきたバスがそのまま生野駅行きになった。
バスが出発する5分ほど前に、姫路行きの播但線103系が通って行った。103系が頑張っている場所もだいぶ少なくなったね〜、などと感心しつつも、電車から乗り換えの利用者はゼロ。これからバスが行く方向から来た電車ゆえ、わざわざ乗る人はいないか……。
途中、神崎総合病院に立ち寄ると、ほどよく席が埋まるくらいの、まとまった人数の利用があった。駅→駅を結ぶこのバスには、駅間移動というより通院アクセスの役割が強いとみた。終点まで乗っていったお客さんは1〜2名といったところ。
標高360m級の峠道を越えながら、16kmの距離を33分かけて走り、11:58に生野駅の西口駅前広場に乗り入れた。距離の割に運賃は200円と、町営バスならではの安さが際立つ。
■チャンスは一度だけ!?
生野駅前では、県内南側の主要路線バス網を担う神姫バス系から、北側の幅広いエリアをカバーしている全但バスへと事業者がバトンタッチ。
次に乗る予定の、12:07発の全但バス「山口生野線」が、先に駅前乗り場で待っていた。神姫バス標準塗装の車と全但バスの車が並ぶ境界的な駅がここ生野駅なわけか。
コミバス生野線→山口生野線には9分の乗り換え猶予。念の為現地の時刻表(ネジが外れて落ちてた)に目をやると、ローカル路線の中でも通過時刻欄の“余白”がとても多いのに気付いた。
乗りたいバスの時刻については事前に調べてあったものの、よくよく全体を見れば、こちらもそれはそれは極細。生野駅発自体は1日3本ある。
ところが今回のように新野駅/もしくはもっと手前から来る場合、生野駅を8:07に出る山口生野線の第1便に乗ろうとすると、それに接続するコミバス生野線を掴まえるのが、前乗りする宿まで考えると「何時起きだよ?」な話。
一方で13:50発の第3便(終バス)に期待を寄せたとしても、12:08〜13:49の間にバスで来られる手立てがないため、使いたくても使えないわけで。
さらに、平日以外の時刻欄には「分」を示す数字がどの時間帯にも書かれていない真っ白なやつ。土日祝の大罠がここにもウエルカムだ。
行程の手前の段階で、平日のみ運行のバスがあるゆえ、山口生野線のダイヤ設定による壊滅的なダメージは受けなさそうにせよ、そんなにギリギリ系のバス路線が続くとはね……。
実質的にこの兵庫県南北縦断バスルートを通過するチャンスは、平日のそれぞれ1日一度しかないと思っておくのが良さそう。
もう計画当初の、県外から出なければ余裕でしょ、な期待感なんて、ど〜こ行っちゃっただろうねぇ。むしろ県境跨ぐより難しいんじゃないのこれ?
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