■自動運転だけでは問題は解決しない
今回はバスの日にちなんで、バスの乗り方についてお届けした。地域住民の足として利用されている路線バスや、団体に便利な貸切・観光バス、都市間ネットワークの高速バスはなくてはならない公共交通機関である。そんなバスについて乗車から降車までお伝えした。昨今のバス業界が苦境に陥っているのは多くのニュースで伝えられている通りだ。
しかし使ってもらうことがバスを支えることになる。自動車が移動のメインという方も、バスは狭いから乗りにくいという方も、この機会にぜひ一度体験していただきたい。ゆったりと座席に体を預け、車窓から眺めるそれはきっと普段とは違う景色が見えているに違いない。移動の楽しみと旅の思い出の1ページにバスが加われば、利用の積み重ねで公共交通が活性化する。
バス業界では運転士不足問題や経営環境の悪化による路線維持の問題が長く続いている。これらの解決の可能性として自動運転バスの実証実験が行われているが、自動運転だけでは運転士が不要にはならず問題は解決しない。遠くない将来には自動運転かつ無人運転も実用化するだろうが、まだまだ遠い印象だ。
そんな未来につなげるためにも現状のバスは残さないと公共交通が崩壊する。「バスの日」を制定した日本バス協会では業界をとりまく状況変化のもと、バスを夢のあるプライドある産業として、さらに輝く時代になることを目指し、2024年9月に「バス再興10年ビジョン」を策定している。掲げたビジョンが絵空事で終わらず現実のものとなり、常に挑戦を続け目標が実現することを願いたい。
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